2018年の一皿は「サバ・サバ缶」! カン動の成功はなぜ起きた?

ギョ! バカ売れ缶詰に学ぶ儲けの極意
黒川 勇人 プロフィール

冷凍原料のレゾンデートル

サバ缶はそもそも獲れたての生原料から造られていたが、現代は冷凍原料で造るものも多い。

 

サバ缶の原料はマサバで、その旬(脂が乗った美味しい時期)はおおむね11月から1月と短い。その時期でも毎日獲れるとは限らないので、仕入れ担当者が魚市場に行っても買えない日だってある。そうなると、その日はサバ缶の製造が出来なくなってしまう。

それを回避するために、旬の時期にサバを大量に買い付け、冷凍保管しておくようになった(旬は味がいいだけでなく大量に獲れる時期でもある)。

それを解凍して使うことで、年間を通してサバ缶製造が可能になったわけだ。冷凍・解凍技術も飛躍的に進化しているので、生原料と冷凍原料の味の違いはまず、判らない。

特に中堅・大手メーカーは、いつでも商品を安定的に供給しなければならない役割がある。だから冷凍原料は必須なのであります。

これだけで立派な一食。photo by Hayato Kurokawa

缶詰にハマったきっかけ

ところで、僕が缶詰を研究しようと思ったきっかけは「なぜ常温のままでも腐らないの?」という疑問だっだ。一般的に、料理を長持ちさせるには塩分や糖分を大量に使って味を濃くするか、保存料を使うしかない。しかし缶詰には味付けゼロのトマト缶やアスパラガス缶もあるし、保存料は一切使われていない。不思議なことであります。

数年の研究を経て判ったのは、缶詰はもともと軍用食として生まれてきたこと。ゆえに常温のまま持ち運んでも腐らないのが大前提で、そのために採用されたのが「加熱殺菌」だった。この仕組みを知ったときには缶動(感動)のあまり膝が震えた。

食べ物が腐るのは菌類・微生物類の働きによる。それをストップしてしまえば、理論としては半永久的に腐らない。ということで、菌類・微生物類が活動停止してしまう高温で加熱しているのだ。

具体的には、食べ物を缶に詰めてから密封・加熱するが、おおむね120度もの高温に達するため、缶には圧力を掛けている。そうしないと沸騰点を超える温度まで上がらないからだ。

圧力を掛けながら加熱……。どこかで聞いた話だなァと思ったあなた、鋭いです。実はこれ、圧力鍋と同じ仕組みであります。

圧力を掛けて加熱すると味が中まで染み込む。→ということは調味料が少なくてもしっかり味が付く。→ということは缶詰も塩分は少ない。この事実、知ってました?