photo by iStock

日本人がなぜか「ホーチミン」の次世代カルチャーを牽引しているワケ

世界に拡散する「日本ムーブメント」
「あらゆるものをイベントに!」をコンセプトに、最新トレンドやムーブメントを連日体験型イベントとして提供する「東京カルチャーカルチャー」。“次に来る何か”を先取りすることで定評のあるプロデューサーのテリー植田氏が、今一番注目するホットなトレンドは、意外にもベトナムなのだとか。しかも、彼の地で次世代カルチャーを作っているのは<日本>だという。テリー氏が現地からレポートします。
 

ベトナム・ホーチミンが今、圧倒的に面白い!

イベントプロデューサーのテリー植田です。

普段は、東京でイベントプロデュースや百貨店の催事企画をやりながらいろんなカルチャーの種まきや収穫を生業としています。そのカルチャーの種まきという点で今、圧倒的に面白いのがベトナムのホーチミンだと思っていて2017年から現地に足しげく通っています。

ホーチミンには今約9000人の日本人が在住しています。ベトナム全体の平均月給が3万500円のところ、ホーチミンの平均月給は4万8900円と、ベトナムの中では非常に収入の高い街です。

私がよく滞在しているホテルは、1泊2000円で朝食がついています。十二分な広さがあり、1ルームの料金で2人で使用することができます。

朝のマーケットで買う美味しいバインミー(ベトナムサンドイッチ)は1個50円で、2個食べると夕方までお腹はもちます。日本から進出しているファミリーマートで買うビールは1本50円。

日本でいうと銀座や渋谷のようなベトナム1区のホテルが並ぶストリートには、靴磨き少年が観光客に声をかけようと走り回っています。そして、ホーチミンの北に位置するビンズンには東急グループが開発したニュータウンが建設され、なんと東急バスが走っています

ホーチミンの2人の日本人キーパーソン

そんなベトナムのホーチミンで、私が出会った次世代カルチャーを作ろうとするホーチミン在住の日本人キーパーソンを2人紹介したいと思います。

まずは、私がホーチミンに行くきっかけを作ってくれた笹塚ボウルCEOの財津宜史氏。財津氏は、ベトナムにボウリング場を作ろうとご家族でホーチミンに住まれています。

2017年5月に、財津宣史氏からLINE電話がかかってきました。私は、笹塚ボウルでDJイベントを企画させてもらっていたのですが、ずいぶん久しぶりで、一度ご挨拶しただけだったので「何だろう?」と電話に出てみると、ホーチミンの財津氏からでした。

「テリーさんって、ソーメン二郎なの?」が第一声でした。

実は私は、普段はイベントプロデューサーとして活動をしているのですが、夏場になるとそうめん研究家ソーメン二郎としてそうめんの啓蒙活動をしているのです。私の実家が奈良県桜井市で三輪素麺製麺所を営んでいる家系の本家にあたるからです。

財津氏に話を詳しく聞いてみると、ソーメン二郎としての活動を知ったらしく、「ベトナムで流しそうめんレストランができないか?」という相談でした。

思ってもみないことで驚きましたが、よく考えてみると、ひょっとしたら年中暑いベトナムで冷たい麺はウケるのではないかと思いました。財津氏も、「流しそうめんは、回転寿司のように食のエンタメとして可能性がある」と言います。

財津氏と意気投合し、さっそくそうめんの試食会をホーチミンでやろうとトントン拍子で話が進み、私は2017年12月に初めてホーチミンに飛びました。

羽田からホーチミンへは直行便があります。羽田から深夜1時30分発のJAL便(往復4万5000円)で飛ぶと、朝5時50分にホーチミンのタンソンニャット空港に到着。目が覚めたらそこは30度近い暑さの異国でした。

そうめんの試食会はうまくいきましたが、その後、流しそうめんレストランの立ち上げは、ベトナムの水質事情などの理由でうまく実現できずにいました。そこで代替案として、私が財津氏に手巻き寿司屋を提案し、めでたく「ROLL」(2区タオディエン通り)という店がオープンになりました。

ホーチミンにオープンした手巻き寿司「ROLL」 写真提供:財津宜史
ファッショナブルな「ROLL」の店内と盛り付け 写真提供:財津宜史

そうめんと同じく、日本を代表する食のコミュニケーション、手巻き寿司。パーティ向けの食材でテイクアウトもできる。ブラジルやアメリカでは手巻き寿司のことを「テマケリア」と呼んで大ヒットしていることも流行のきざしとしてありました。

そうめんの話はここまでにして……。