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激化する米中冷戦「2019年に起きること」

金正恩は米中どちらを選ぶのか?

北朝鮮と中国「蜜月」の終わり

2018年がまもなく終わる。そこで今回は、ことしの重要ニュースで書き足りなかった点を補足的に書いておこう。北朝鮮の核・ミサイル問題と米中新冷戦について、である。

まず、北朝鮮だ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は3月25〜28日、中国を電撃訪問して、習近平国家主席と会談した。それは、米国のトランプ大統領が米朝首脳会談を受け入れた一方で、国務長官や大統領補佐官を更迭して、いずれも対北強硬派に代えたことがきっかけだった。

正恩氏はこの人事を見て「米朝首脳会談が不調に終わったら、米国は強硬路線に戻って軍事攻撃に踏み切るのではないか」と震え上がった。そこで「まず中国を味方につけよう」と考えたのである(3月30日公開コラム、https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55057)。

その後、中朝首脳会談は6月の米朝首脳会談をはさんで、計3回も開かれたので、いまでは「中朝は蜜月関係」であるようなイメージが広がっている。だが、ここで指摘したいのは、実は首脳会談直前まで「北朝鮮と中国の関係は冷え切っていた」点である。

 

正恩氏が中朝関係を改善したのは、あくまで強硬なトランプ政権に対抗するためだった。当時、米中関係はいまほど緊張していない。トランプ政権は3月に中国に制裁関税を科す方針を表明したものの、対北朝鮮で中国の協力をとりつける必要があったために、いったん制裁を棚上げしている。

一言で言えば、当時は正恩氏とトランプ政権が互いに中国を味方につけようと「習氏の袖を引っ張り合っていた」状態だったのだ。

ところが、いまや情勢はガラリと変わった。正恩氏は核とミサイル実験を中止し、6月の米朝首脳会談にこぎつけて、トランプ大統領と直接、コンタクトしている。9月には親書を送って、2回目の米朝首脳会談を催促するほどだ。

一方、米中関係はといえば、制裁関税の撃ち合いだけでなく、華為技術(ファーウェイ)問題まで起きて、緊張がかつてなく高まっている。こうなると、正恩氏は中国と蜜月関係を続けるとは限らない。3月以前がそうだったように、中国と距離を置いたとしても不思議ではない。

なぜなら、もはやトランプ氏は習氏の袖を引っ張ってはいない。正恩氏も米国の軍事攻撃の恐れが消えた以上、以前ほど習氏の援護を必要としていない。それなら、中国とはそこそこの関係を保っていけば、十分であるからだ。

少なくとも「中朝は永遠に蜜月状態」などと考えるのは、まったく誤りである。北朝鮮は情勢次第で、どうにでも動く。

それは、周囲を大国に囲まれた半島国家の宿命でもある。半島の小国は隣の大国に攻め込まれたら、最後は断崖絶壁から海に飛び込むしかなくなる。だから、大国に攻め込まれないように、絶えず関係を微調整しながら立ち回るのである。