# 医療費

調剤薬局でもらうクスリはなぜあんなに高く思えるのか

医療費42兆円の18%を占めるおいしい商売
野田 利樹 プロフィール

薬剤に比べ高額な技術料や管理料

調剤費が増えた原因としては、「高齢者が増加したからだ」などと言われやすい。だが、そもそも日本では、検査をして結果が正常範囲から外れればすぐに薬を処方して正常値に戻そうとする検査値至上主義なのが要因である。

 

もちろん、有効な新薬が開発されて使われるようになったこともあるかも知れない。しかし、もっと大きな原因は、多少正常範囲から外れていて健康状態に問題がないような人でも、どんどん薬が出される医療の現状にある。

その一方で薬価基準、つまり、健康保険で算定される薬の値段は年々下げられているし、また一部の医薬品は、より安価なジェネリック薬品に置き換わるようになっている。それでも調剤費が増加しているということは、量として薬は大きく増加しているわけだ。

日本の総人口は減っているのに薬の量は増えており、中にはムダな薬が相当含まれていると見てよい。

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支払額が約3倍にもなる「カラクリ」

そんな業界の利益が上がって当然だが、調剤薬局が儲かる理由は、さらにもう1つある。

同じ病気で同じ薬を処方してもらった場合に、院内処方の病院より院外の調剤薬局で薬をもらうほうが患者さんの金銭的負担は大きい。薬剤自体の価格は同じでも、調剤薬局は「調剤技術料」「薬剤服用歴管理指導料」などの種々の名目で調剤報酬を得るが、それが病院の調剤料などより大きいからだ。「病院より院外薬局の薬代が高い」事実に気付いていない人が多いが、調剤薬局は調剤技術料で大きく儲けている。

なにしろ、風邪で内服薬と頓服を処方してもらい院外で調剤すると、薬剤料が710円なのに調剤技術料を410円、薬歴管理料を410円も取られたりする。調剤薬局は710円の薬を出して、それ以上の820円の調剤報酬を得ていることもあるのだ。これが院内処方なら700円程度だが、院外処方では病院にも処方箋代を払うので結局2000円を超えてしまう。

病院で薬をもらう場合との差は、それぞれの薬局によっても薬の種類によっても異なるが、2倍以上になるのは珍しいことではない。だが健康保険で3割しか負担していないため、それに気付かないだけだ。

要は、院外処方の調剤報酬の中には不必要に高額なものがあるのだ。負担が大きい分だけ院外処方にメリットがあればともかく、必ずしもメリットがないのだから、患者さんの無知に付け込んで調剤薬局が利益を上げているとも言える。儲かるのは不思議でない。