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# 医療費

調剤薬局でもらうクスリはなぜあんなに高く思えるのか

医療費42兆円の18%を占めるおいしい商売
何種類ものクスリが処方され、結局飲み切れずに残してしまうことはよくある。高齢者になるほどその傾向は強くなる。一説には、飲み残しで無駄になるクスリは年間500億円分近くにもなるという。とんでもないことだが、「そもそも調剤薬局はボロ儲け」と医療界に詳しいジャーナリストの野田利樹氏は指摘する。その「儲けのカラクリ」とは?
 

「調剤費」は激増、調剤薬局はボロ儲け

経済低迷の日本でも前年比10%程度の売り上げ増は“当たり前”という羨ましい業界がある。いわゆる調剤薬局の業界である。2017年は売上高上位4社いずれもが年商1000億円を超え、売り上げ増加の勢いも凄まじい。

1.アインホールディングス 2386億円( 7.6%増)
2.日本調剤        2051億円( 8.4%増)
3.クオール        1351億円(12.0%増)
4.総合メディカル     1103億円(14.5%増)

軒並み10%前後の伸びであり、省略した5位以下も含め上位10社はすべて前年より売上高を伸ばしている。薬価の引き下げなどの影響で売り上げを減少させた年もあるものの、ここのところ10年以上も調剤産業は急成長を続けているのだ。

最近では、少し大きな病院の前には「門前薬局」と呼ばれる調剤薬局がいくつも並ぶようになった。院外処方、つまり医師が処方した薬を院内で調剤してもらうのでなく、院外の調剤薬局でもらう病院や診療所が主流になって、現在では院内処方よりも圧倒的に数が多くなっている。

ズラリと調剤薬局が立ち並んでいるのだから、「よほど旨みのある商売なのだろう」ということは、医療に詳しくない人でも容易に推測できるだろう。

調剤産業が儲かる理由の1つは、日本全体の調剤費が急速に伸びているからだ。

よく日本の医療費の急増が問題にされるが、中でも調剤費が急激に増えている。国民の医療費負担は年々急増して2017年は総額42兆円にまで達しているが、2000年ごろ調剤費は医療費全体の10%以下だった。それが調剤費は医療費以上の伸びを示して2017年には18%も占めるようになっているのである。

その結果、国際的に見てもわが国の薬剤費の比率は高くなっている。先進諸国の中で医療費に占める薬剤費比率が高いのは韓国と日本で、アメリカやイギリスの2倍近い。両国とも国民全体の加入する健康保険制度があるのは「健康保険で薬が安くもらえるから」と、ムダな調剤が増えがちな傾向を窺わせる。