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貧困老人にならないため、40歳から絶対始めるべき「終活」メニュー

人生100年時代のマネーシフト(17)

人生の終わりに備えた活動のことを俗に「終活」などと称しているが、議論の対象となっているのは、たいていが60歳以上の高齢者である。

だが筆者は人生100年時代だからこそ、終活はできるだけ早くスタートするのがよいと考えている(一般的に終活というのは、相続や墓地など、より具体的な準備について指す言葉かもしれないが、ここでいう終活は、もう少し広い意味で捉えていただければよい)。

生涯労働社会においては、人生の前半と後半で、仕事や家庭生活に対する価値観を大きく変える必要がある。前半戦から後半戦へのシフトはスムーズな方が望ましく、そのためにも40代から広い意味での終活を始めるべきである。

(この記事は、連載「寿命100年時代のマネーシフト」の第17回です。前回までの連載はこちらから)

 

年金は70歳から支給開始となる

政府は2018年11月26日に行われた未来投資会議などの合同会議において、あらたな成長戦略の中間報告を取りまとめた。その中で、現在65歳までとなっている企業の継続雇用年齢について「70歳までの就業機会を確保する」とし、事実上、生涯労働制にシフトする方針を打ち出した。

日本の公的年金は賦課方式といって、現役世代から徴収する保険料で高齢者の生活を支える制度なので、社会の高齢化が進むと年金制度の維持が難しくなる。現時点において年金受給者への支払額は、現役世代からの徴収額を大幅に上回っており、年金財政は慢性的な赤字である。

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賦課方式による年金は、その仕組み上、給付を極限まで下げれば制度そのものが破綻することはないが、それでは事実上、年金として意味がなくなってしまう(時折、制度として破綻しないという話と、十分な年金が受け取れるという話を意図的に、あるいは無自覚的に混同した主張が見られるので注意が必要である)。

今後の公的年金の維持可能性については、前提条件によって変わってくるものの、現在の経済・財政状況が継続した場合、筆者は2割から3割の年金減額は避けて通れないと考えている。

老後の生活を年金のみで支えるのは事実上困難であり、政府も基本的には同じ考え方に立っている可能性が高い。政府が急ピッチで生涯雇用に向けて環境を整備している背景にはこうした事情がある。

現時点で政府は年金の70歳支給開始について直接、言及していないが、生涯雇用についてメドが立ち次第、支給開始年齢の70歳引き上げに着手する可能性が高いだろう。