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# 政治 # ブラック企業

ブラック企業大賞にノミネート…財務省はいつから「黒く」なったのか

本日14時に大賞発表&授賞式

なんという皮肉

ジャーナリストおよび弁護士などの有志が毎年公表している「ブラック企業大賞」のノミネート企業が出そろった。

月100時間超の残業がみられた日立製作所や4年間に2人の過労自殺があった三菱電機と並び、今年は「財務省」の名前が挙げられた。

ノミネート事由として、今年4月の福田淳一前事務次官の女性記者に対するセクハラ疑惑が指摘されている。

この問題への対応も尾を引いた。

麻生太郎財務相は「セクハラ罪という罪はない」と発言したうえ、「男を番記者にすればいい」と、女性記者を排除するような発言もあった。

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こうした問題意識の欠如が組織として見られるという点も、行政機関でありながら特別ノミネートを受ける大きな事由となった。

考えてみれば、霞が関は「働き方改革」「女性登用」の一丁目一番地である。そんな財務省がブラック企業大賞にノミネートされるとは、なんと皮肉なことだろうか。

1年も経っていないが、今年は財務省に関するニュースが多々あったため、「福田事件」を忘れている人もいるかもしれない。

 

財務省トップの福田事務次官のセクハラ疑惑が発覚したのは、4月12日発売の『週刊新潮』がきっかけだ。福田氏は4月上旬の夜、財務省の記者クラブに所属するテレビ朝日の女性記者をバーに呼び出し、セクハラ発言を繰り返したという。

福田氏および財務省は疑惑を否定し、麻生財務相も調査や処分はしないとしたことが、世論の反発を生んだ。

『週刊新潮』は13日、福田氏のセクハラ発言とされる音声データをネット上で公開。19日、テレビ朝日の報道局長が「セクハラ被害を受けたのは自社社員である」と異例の公表を行うに至った。

会見の前に福田氏は辞意を表明し、財務省を去ることになった。だがその後、福田氏が裁判で争っているという話はまったくない。一部では「福田氏はハメられた」と思う人もいるかもしれないが、そうだと主張できるなら彼も裁判を起こしているだろう、という話だ。

 

語弊を生む言い方かもしれないが、在学中に司法試験に合格し、官僚のトップたる事務次官を務める男が動かぬ証拠を突きつけられて「完落ち」するのはみっともない話だ。

とはいえ、マスコミも、この問題をどこまで追及するか微妙な立場だった。

財務省の記者クラブにはエース記者が常駐し、スクープ合戦を繰り広げている。本人たちに罪はないが、組織としてスクープを取るために女性を配置する、と考えるマスコミがあることも確かだ。

 

ただでさえ深夜勤務の多い財務省は「ブラック企業」と言って差し支えない。そのうえ、トップがセクハラなどしようものなら目も当てられない。

ただ、こうした長時間労働体質は最近になってのことだ。

大蔵省時代、「参事官」は霞が関に「三時間」しかいないと揶揄されていた。上司がとっとと帰るわけだから、部下ものびのびしていた。それに、省内には「仕事と遊び」は家庭に持ち込まないという不文律が徹底していた。

しかも、「遊ぶために役所の仕事時間を短くしていた」と古い大蔵省ОBはいう。彼らからしたら、財務省が「ブラック企業」とされているのは信じられないだろう。

『週刊現代』2018年12月29日号より

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