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中国とファーウェイの排除を協議した西側諸国「スパイ夕食会」の内幕

いまから遡ること5カ月前に…

世界2大国の角逐

12月18日午前10時から、北京の人民大会堂で、「改革開放40周年」を祝う記念式典が開かれ、習近平主席が改革開放の意義を称える重要演説を行う。

40年前のこの日、権力を全面的に掌握した当時74歳の鄧小平が、中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議(3中全会)を開催。内外に「改革開放政策」を宣言した。そこから中国は、破竹の経済成長を始めたのである。

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本来なら、2週間後の2019年元日は、米中国交正常化40周年記念日であり、祝賀ムードが続くはずである。だが、党と政府を挙げて「改革開放40周年」を盛り上げているものの、何となく「空(から)元気」のように思えてならない。

実際には、アメリカとの角逐は進む一方である。もしかしたら、「改革開放40周年」までが一区切りで、2019年から先は、「米中新冷戦」の時代を迎えるのかもしれない。とにかく重大な岐路にさしかかっていることは確かだ。

 

12月1日に、カナダのバンクーバー空港で、世界最大の通信機器メーカー「華為技術」(ファーウェイ)の孟晩舟副会長が逮捕された事件は、その後、12月11日に孟副会長が保釈された後も、一向に収まる気配を見せない。それは重ねて言うが、アメリカと中国という世界2大国の角逐が、今後どこまで進むのかが五里霧中だからだ。

中国側は、アメリカとの覇権争いを、次の4段階で考えている。

<第一段階> 貿易戦争
<第二段階> 技術覇権戦争
<第三段階> 追放合戦 
<第四段階> 局地的な軍事衝突

中国としては、この段階をできるだけ引き上げたくない、それは、現時点で最終段階まで進んでしまえば、勝機は薄いからだ。いくら「伸び盛りの大関」でも、「ベテランの横綱」には、まだかなわないのである。

現時点においては、<第一段階>から<第二段階>に差しかかったところである。

まず<第一段階>の貿易戦争は、今年3月22日に、トランプ大統領が中国に「宣戦布告」(対中追加関税の具体的検討を求める大統領令に署名)したことから始まった。それから3ヵ月あまり経った7月6日に、アメリカが中国製品340億ドル分に25%の追加関税をかけて「開戦」。中国はすぐさま「応戦」した。

8月23日に第2弾、9月24日に第3弾の「弾」を双方が撃ち合った。現時点においては、アメリカは2500億ドル分の中国製品に、中国は1100億ドル分のアメリカ製品に対して、それぞれ追加関税をかけている。

トランプ政権は、来月1日(元日)より、第3弾の2000億ドル分に対して、現行の10%の追加関税を25%に引き上げるとしていた。だが11月30日、ブエノスアイレスG20の直後に開いた米中首脳会談を受けて、90日間の猶予、すなわち発動を3月1日に引き延ばすことを発表した。

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追い詰められた中国側は、この貿易戦争をなんとかして収めようとしている。例えば、中国政府は12月14日、アメリカ製の自動車にかけていた追加関税を、来月から3ヵ月間停止すると発表した。

アメリカ車の関税は現行40%なので、15%に戻ることになる。実際には、中国国内でアメリカ車はそれほど人気がないので(一時のテスラ・ブームはとっくに冷めている)、中国としては象徴的意味は大きいが、実害は少ないというわけだ。

また、クリスマス休暇明けからは、米中の貿易交渉が再開する予定だ。とにかく中国としては、来年2月末までに、何らかの暫定的な解決策を見出さねばならない。2月5日には春節(旧正月)が控えており、大型連休となるので、時間はあまり残されていない。

そんな中、12月13日に習近平主席は、中国政治局会議を招集した。この会議は毎年、12月上旬に開かれることが多いが、アメリカ問題への対処で遅れたのだろう。翌年の経済方針を決める中央経済工作会議に先立って、その方針の大枠を決議する会議だ。

以下は、新華社通信の発表の要約である。

〈複雑で錯綜した国際環境に直面している中で、2019年は新中国成立70年を迎える。習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想の指導をもって、新たに発展していく理念を堅持していく。就業、金融、貿易、外資、投資、予期の安定(6つの安定)をいま一歩進め、建国70周年に花を添えるのだ。国際環境と国内条件の変化をよく見定め、危機意識を高め、わが国の発展の重要戦略の時機を掴むのだ……〉

虚飾に満ちた言い回しで曖昧模糊としているが、長文の原稿を通して読むと、中国の苦悩が行間から伝わってくるようだ。「防戦一方」になっている中国は、景気の悪化に伴う国内の混乱だけは避けたいのである。いずれにしても、もう少し具体的な内容が、今週の中央経済工作会議の終了後に発表されるだろう。

<第二段階>の技術覇権戦争については、先週のこのコラムで詳述した通りだ(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58912)。

経済分野でアメリカの3分の2程度、軍事分野で3分の1程度の「国力」を蓄えた中国は、まずは2019年に「元年」を迎える「5G」(第5世代移動通信システム)で、アメリカを凌駕したいと目論んでいる。その「先兵役」を果たしているのが華為なので、アメリカは何が何でも華為を叩くという構図だ。

今週は、この<第二段階>について、諜報戦の視点から見てみたい。

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