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# マネジメント

部下がついていきたくなる「すごい上司」たちの、ある共通点

意外な言動がポイントだった
多くのビジネスパーソンが持つリーダーシップの悩みを物語を通して解決する注目書『本物のリーダーは引っ張らない』(講談社)からそのエッセンスを何回かに分けてお届けする。
登場人物は4人。
佐藤浩二:昔ながらの体育会系リーダーシップを実践するも、最近なかなか部下とうまくいかないことに悩んでいるアラフィフ。
高野賢介:優秀な若手として、期待されてリーダーを任されたものの、なかなかうまくいかなくて悩んでいる。
牧村美香:賢介の学生時代からの友人で、最近上司からリーダーにならないかと打診されて、「私なんて向いていない」と悩んでいる。
ママ:リーダーシップで悩める3人が出会ったワインバーの経営者。彼女はじつは7軒の店を経営・成功させている凄腕。即席リーダー塾の講師役。
前回は、「ついていきたくない上司の言動」について語り合ったので、今回はポジティブに「ついていきたい上司の言動」について。
 

期待を言葉に出す

佐藤:前回、「ついていきたくない」リーダーについてやったから、今回は「ついていきたくなる」リーダーについてだね。

高野:それでは、また僕から始めましょうか。

僕が、入社4年目に本社の営業部に異動したばかりのときの話です。これまで入社以来店舗側の仕事をしてきたので本社は初めての経験で、修業中の身でした。ある日、初めて取引先様の会社に行くことになり、とても緊張していました。ぎこちない挨拶を済ませたのですが、そのとき突然上司の北川さんという人が、「彼が今度異動してきた高野です。うちの部のホープなので、よろしくお願いいたします」と取引先様に対して僕を紹介してくれました。

ビックリしました。ちょっと、ちょっと何を言っているの。ホープどころかど素人なのに……と思いましたよ。やめてくれ~って。でも、そうやって期待をしてくれているっていうことが、すごく嬉しく感じました。

ママ:素敵な上司ね。

高野:はい。ただ、これだけではなくて、一人で他の会社に行ったときも、お取引先様から「北川さんのところのホープなんだって。北川さんから聞いているよ。これから先頼みますね」って言われて。あ~、北川さん、僕のいないところでも言ってくれているんだって、本当に嬉しくなった。だからなんとか北川さんの期待にこたえたいと思って頑張りました。あのときがあったから、その後の営業成績や、今の自分があると本当に思います。

佐藤:なるほどなあ。ついつい、俺たちは逆をやってしまいがちだからなあ。

牧村:逆って、何ですか?

佐藤:未経験者や新人がいると、「経験の浅いひよっこですが」なんて、日本的な謙遜の意味もあるけれど、軽く若い人を否定したり、あるいは「まだまだ不慣れなところが多いかもしれませんが」なんてエクスキューズを入れたりするのが常だったりするわけよ。

ママ:でも、言われるほうからすると、否定よりも期待の言葉を言ってもらったほうが、心の灯はつきやすいということね。