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普通の人が「個別株投資」「FX」で失敗してしまう当然のワケ

一般人には向かない「金融商品」
40代貯金ゼロでも、定年までに3000万円。はたしてそんなことが可能なのだろうか? 資産運用会社「セゾン投信」社長で、『普通の会社員が一生安心して過ごすためのお金の増やし方』などの著書がある中野晴啓氏によれば、今からでも間に合う「正しい」お金の増やし方があるという。そのためにはまず、「やってはいけない」増やし方を知ることが重要。巷にあふれる投資術・投資商品を、中野氏にバッサリ斬ってもらった。

まずは身の程をわきまえた運用を考える

皆さんが投資をしよう、資産運用をしようと考えた時に、まず何をしますか。

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全く資産運用の経験がない人なら、まずは何か投資関連の書籍を購入して、投資の勉強を始めるでしょう。日本人は勉強が好きだから、こういうパターンをたどる人は、結構いらっしゃるはずです。

では、どのような本を買いますか。

実は、本屋に行って投資関連のコーナーに並べられている本を見ると、箸にも棒にもかからないものばかりなのです。テクニカル分析の本とか、短期トレードの本とか、そういう取引を考えている人にとっては参考になるものですが、普通の人が困らないためにお金を貯めるという観点からすると、ほとんど役に立たないものばかりです。

もちろん、短期トレードがいけないと言うつもりはありません。マーケットは、長期投資だけでなく、短期トレードがなければ成り立たないからです。

長期投資家だって、手持ちの株式などを売却しなければならない時はあります。その時、売れるかどうかは、その市場に一定の買いが入っているかどうかによります。

たとえば、1000株の売りに対して、買いが100株しかなかったら、いつまで経っても売り注文は成立しません。それどころか、1000株の売り注文に対して同数の買い注文が出てくるまで、株価は下げ続けます。

 

短期トレーダーは、短期的な売り買いを通じて、常にマーケットに一定の流動性を供給しており、売りもしくは買いのいずれかに、極端に注文が偏るのを、結果的に防いでくれるのです。

ただ、「投資でお金を育てる」という発想で資産形成をする場合、短期のトレードを通じてそれを行うのはやや的外れです。後で説明しますが、ギャンブル的な要素もありますし、大事な資産をそんな方法で減らしてしまっては、元も子もありません。

したがって、資産形成をしようと思って本屋をのぞいた時、「チャート分析の方法」、「短期トレードの基本」といった本を手にして、それを参考にしようとしても、何の意味もありません。

まずは自分の身の程をわきまえた資産運用の方法を考えることが大事なのです。

さて、投資をするというと、まず思い浮かぶのは、どんな商品でしょうか?

株式、FX、外貨……しかし、皆さんが思い浮かべるほとんどの商品は、実質的に「普通の人がお金を貯める」ための商品ではありません。

ここでまず、普通の人には向かない金融商品について、紹介したいと思います。