# 飲食店

「ガトーショコラ」だけで年商3億円を実現したシェフのすごい秘密

営業不振を打開できた「ある気づき」
氏家 健治 プロフィール

作業効率も大幅アップ

私はすでにガトーショコラ作りから手を引き、ほぼスタッフに製造を一任していますが、それもガトーショコラ以外の商売をすべてやめてしまったからできた決断です。

Photo by iStock

商売や商品が複数あったら、毎日のオペレーションはもっと複雑になり、私が現場から離れることはできなかったでしょう。

特に商品を1アイテムに絞り込んだことで、厨房での作業は一気に効率化しました。

ガトーショコラのレシピの手順はすでにフロー化できていて、その手順に合わせてキッチンの動線を組んだため、効率が非常に良いのです。

具体的には生産が円滑に進むように厨房を整理し、置き場所を工夫し、不便な段差もなくしました。工程に従い、製造スタッフは右から左へと動くだけ。厨房を行ったり来たりの繰り返しがないためストレスも迷いも無駄な動きもありません。

衛生管理も自慢できる点です。同業者にも取引先にも進んで厨房を見学してもらっていますが、見た人は誰もがその徹底的に効率化した厨房を見て「ありえない」「素晴らしい」と口にします。

 

しかし、まだ手をつけたい箇所があります。現在使用しているバター専用の冷蔵庫はセンターにピラー(柱部分)がついているタイプですが、これが意外に出し入れに手間取るのです。ストレスなく出し入れができるピラーレスの製品があることがわかったので間もなく買い替える計画です。

私が常に心がけているのは「1作業で3秒の短縮」です。その結果、ケンズカフェ東京は比類なきほどの生産効率を誇ります。

このように、プロダクトが1種類だけになったことで厨房での作業の簡素化を極めることができました。そして何よりも素晴らしいことは、スタッフも私と同じガトーショコラを作れるようになったことです。

製造業で一番やっかいなのは業務が特定の人に依存してしまいがちなこと。その人がいなくなると商品が作れなくなったり、質が落ちてしまうという事態は絶対に避けなければなりません。

事業継承にも関連しますが、重要なのは誰でもできる体制を整えておくこと。その点、プロダクトが少ないので引き継ぎはスムーズです。1種類しか作っていないので商品のクオリティも保ちやすくなります。プロダクトの徹底的な絞り込みは、属人的な作業を標準化した作業へとシフトさせる効果があるのです。

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