ロコ・ステラを指導する本橋さん(撮影/森清)

カーリング・本橋麻里さんが考えていた「世代交代のこと」

カーリング・銅メダリストの告白④

今年の平昌五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子チーム、ロコ・ソラーレ。そのチームを率いた本橋麻里さんが、チームの強さの秘密を明かした初めての著書『0から1をつくる』(講談社現代新書)が、いよいよ1月17日から発売される。彼女の著書にも描かれているロコ・ソラーレのセカンドチーム、ロコ・ステラが目指す理想像とは?

NHK杯で準優勝

ロコ・ソラーレが今年から新設されたワールドカップの2nd legで優勝し、その翌週のグランドスラムでは、クオリファイ(プレーオフ進出)を果たしました。みんなが頑張ってくれると、私も頑張れます。

私は今、今後のロコの大きな仕事になってくるであろう育成に力を入れています。既にいくつかのメディアに取材していただきましたが、今季からセカンドチーム「ロコ・ステラ」を立ち上げました。

ソラーレがイタリア語で「太陽」という意味ですが、セカンドチーム、ステラの意味は「」です。

常呂でのリーグ戦を戦いながらチームビルディングしている、まだまだこれからのチームですが、11月は地元でNHK杯という大会にも参加できました。

結果は惜しくも準優勝でしたが、チームとして初めて数日間、同じ大会を過ごしました。

アイス内外でコミュニケーションを取って、チームメイトのキャラクターを知って、相手への伝え方を考える。その行程がアイスリーディングやショットセレクションに徐々につながってきて、やっとショットが決まるという事実を痛感したように、私の目には見えました。

その中で勝ちの喜びや負けの悔しさを噛み締めるいい経験ができたのではと思います。

大会後、札幌在住の選手もいるので、みんなでwebミーティングをしました。

そこで共有できたのは「まだ勝ち負けではなく、チームとしてやるべきことを優先すべきだね」という大切な事実と現在地です。

アイスや自分たちのチーム状態、多くの情報を集約して目の前のショットに集中すること。それを確認しながら、ゆっくりと前に進んいければと思います。

私は、指導者と呼ばれるとちょっとむず痒い部分もあるのですが、チームを見守る役割としてとしては、まだ若い選手のショットが決まらない時、チームとして苦しい状況にある時の、それぞれの自己コントロールをうまくサポートできたらな、という課題が残りました。

何もないところから(撮影/森清)

五輪で区切りではなく、世代交代のサイクルを

なぜこのタイミングでセカンドチームを立ち上げたかといえば、おそらく私の実体験も多少、影響しています。

日本のカーリングは現状、4年に一度の周期で動いていて、五輪が終わると解散、消滅を余儀なくされるチームがどうしても出てくる。常呂町にはのびのびと競技に打ち込める環境があるのに、選手が流出し続けてきた背景もあります。

だから、常呂に育成チームをつくることで、世代交代のサイクルのようなものができればという願いがあります。

逆にいえば、技術も経験も備えているのに、環境が整っていないために競技の継続を諦めてしまった才能をたくさん見てきました。

そうした才能がチャンスを逃してしまうのは残念ですし、次世代の選手にはカーリングに希望を持ってほしいという想いもあります。