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# スタートアップ

日本人は知らない…! アジアの「本当にすごい」スタートアップ6選

中国のAI医療、インドのユニコーン…
『Tech in Asia Japan』が最先端のアジアのテックトレンドについて紹介する連載「アジアテック通信」。今回は、日本でまだほとんど知られていないアジア各国で大注目の超有望スタートアップについて紹介しよう。
 

アジアで続々と誕生する「有望メガベンチャー」たち

2017年にアジアのスタートアップの資金調達額は、938億米ドルと過去最高の数字となったが、 2018年上半期の資金調達額だけですでに784億米ドルに上っており、18年はさらにその記録を更新すると見られている。

その成長を牽引するのが、ユニコーン企業やメガベンチャーと呼ばれるスタートアップ企業だ。

2017年にアジアにおける10億米ドル以上の資金調達案件数は14件であったのに対し、2018年は上半期だけでその数は12件となった。 中国のBAT(Baidu, Alibaba, Tencent)や国内外の大企業から巨額の資金を集めるスタートアップがアジアにも続々と誕生しているのだ。

そんなアジアの熱気にもかかわらず、まだまだ日本では知られていない有力スタートアップも多い。今回は、Tech in Asiaのデータベースから資金調達額や将来性を基に注目のスタートアップ6社を選出した。

1. オンラインAI医療プラットフォーム Ping An Good Doctor (中国)

2015年にローンチされて以降、急成長している。[photo] Ping An Good Doctor

中国では、毎日2000万人が病院に行き、診察を受ける。しかし、国内の総合病院の数は1000弱しかなく、国内で30万人の医師が不足しているという。

そこで、Ping An Good Doctorはオンラインの専任ドクター1000人ほどを集め、さらに「AIファミリードクター」というインハウスのAI技術を開発した。

AIファミリードクターは、過去3年間で中国全土で行われた3億以上の診察データなどから、人間の医師が症状を収集して診断・処方箋の提案をするサポートを行うことで、従来の病院よりも5倍近い効率で働くことを可能としている。

提供サービスは診察にとどまらず、例えば全国で1万の薬局と提携し、診察してから1時間以内に処方箋を出し、薬品を配送するサービスも実現している。その便利さからユーザー数は2億人を超える

同社は2018年5月にIPOを行い、約11億米ドルを調達し、東南アジア進出を加速させている。8月には、ライドシェア大手Grabと合弁会社を設立し、東南アジアでのサービス提供を開始している。

2. 多様な決済手段で分割払いができるオンラインショッピングアプリ Akulaku (インドネシア)

[photo] Akulakul

インドネシアはいまだ人口の85%が現金での取引をメインにしており、人口の66%は銀行口座を保有しておらず、クレジットカードの保有率は6%と非常に低い。

またインドネシアの国民性として貯蓄をせず消費することを好むため、比較的高額な商品を分割払いで購入したいというニーズがあった。

中国最大の保険会社のPing An Group (1で紹介したPing An Good Doctorの親会社)で働いていたLi Wenbo氏がインドネシアで創業したAkulakuは、クレジットカードが無くても分割払いで商品が購入できるオンラインショッピングアプリを立ち上げた。

決済手段は、オンライン決済・銀行振込・コンビニなどの店頭支払いを提供することで、銀行口座やクレジットカードを所持しない人もアプリを利用できるようにした。

現在Akulakuのアプリは2000万ダウンロードを記録し、1300万人のアクティブユーザーを抱え、月間流通総額は約110億円を上回る規模だという。現在はインドネシアの他に、マレーシア・フィリピン・ベトナムでも事業を展開している。

2018年10月には7000万米ドルの資金調達を行い、過去2年間の資金調達額を合わせると同社は東南アジアのFintech企業で最も資金を集めた企業となる。2019年はケータリングやコンビニエンスストアの小額決済機能や優良中小企業向けの融資サービスなどを展開する予定である。