日本株の「黄金テーマ」が出現…! 個人投資家が笑う3つの理由

低調な小型株の「特効薬」となる
大川 智宏 プロフィール

高齢者と高齢者市場をめぐる日本人のある「誤解」

続いては、高齢者の貯蓄と消費の動向だ。

まず、図表4は、年齢階層別の純貯蓄額(貯蓄-負債)の平均値である。

図表4:年齢階層別 純貯蓄額
〔出所〕厚生労働省

60歳以上は貯蓄が多い、というのが明確に分かるデータだ。

無論、50歳未満は住宅や車のローン返済、子供の教育費などが重くのしかかるために貯めるお金がないといった原因はあるが、理由は何にせよ「年齢階層による富の偏在」の動かぬ証拠である。

加えて、消費支出は50代をピークに60代、70代と年齢とともに減少していく(図表5)。貯蓄は増えても、実際に支出へと回る部分は減少する傾向にある。 

図表5:年齢階層別 消費支出
〔出所〕厚生労働省

さらに、60歳を超えると、消費支出のうちで、基礎的支出(食料,家賃,光熱費,保健医療など)はほとんど変わらないが、選択的支出(ぜいたく品、教育費,教養娯楽用耐久財など)が極端に減少する(図表6)。

図表6:年齢階層別 基礎的支出と選択的支出
〔出所〕厚生労働省
 

「高齢化銘柄」は株価がほんとうに上がっているのか

投資情報誌などでは、高齢者の消費動向などがたびたびクローズアップされるが、実際に高齢者の嗜好を投資アイデアにまで昇華させるのは、このデータから考えれば容易なことではない。基本的に高齢者は日常生活に不要な付加価値的支出が少なく、支出量も減少していくのが実態であるからだ。

無論、高齢者は絶対数が多いので、額はわずかでもサービスを特定して関連銘柄に投資することは間違ってはいない。コシダカのカーブスなど、シニア女性にターゲットを絞って成功している例もある。

しかし、逆にカラオケや音楽を通じたシニア向けの健康増進として話題になった第一興商などは、ここ数年間の株価は市場水準程度にとどまっている。

また、両社ともに高齢者向けビジネス以外も幅広く手掛けており、事業ポートフォリオの観点からは正しい戦略であろうが、時流に乗る戦略としては魅力度に欠ける。高齢者にとっての必需サービスに特化した銘柄を長期的な視点で保有したほうが、安定性や旨味は大きそうだ。