渋谷ハロウィン・軽トラ横転犯を捕まえた防犯カメラ捜査の凄さと怖さ

事件発生からわずか2週間で一網打尽 
週刊現代 プロフィール

専門部隊「SSBC」を投入

各容疑者が渋谷駅に入る映像を確認した捜査員は、つづけて駅構内の防犯カメラや、ICカード乗車券の履歴などを一つ一つチェックしていく。

容疑者が切符を使った場合は、乗り込んだ電車の方向が判明すると、通過する駅のカメラ画像に車内の男が写りこんでいないか、見逃すことなく目視で追いかける。つまり、容疑者の経路を繋ぎ合わせていく作業を続けていくのだ。

容疑者の一人が住む東京都世田谷区桜新町の商店街を訪ねてみると、事件後に捜査員が「監視カメラを見せてください」と依頼していたことがわかった。

こうして、冒頭の逮捕劇につながったのだ。川村容疑者も、渋谷から約80㎞も離れた自宅まで追跡されるとは思いもしなかっただろう。

 

この途方もない特定作業を行ったのは、捜査1課だけではない。「警視庁SSBC」という専門部隊の分析捜査係員も捜査に加わっていた。

著書にSSBCについて取材した『警視庁科学捜査最前線』がある、警察組織に詳しいジャーナリストの今井良氏が語る。

「'09年に警視庁刑事部に設立されたSSBCは、捜査1課や機動捜査隊など警視庁プロパーの刑事出身者や、民間から特殊技術を買われて中途入庁した特別捜査官から構成されています。防犯カメラ画像の収集と解析、画像による顔照合、SNSの解析などを行います」

つまり、彼らがリレー捜査で犯人の足取りを画像解析して追いかけたというわけだ。では、具体的にどのように動いていたのか。今井氏はこう続ける。

「SSBCは、防犯カメラ画像の収集に全力を挙げます。今回も、彼らはノートパソコンを現場に携行し、映像を取り込みました。そして、すべてのデータをホストコンピューターに送っているのです。

こうして集まった膨大な『点』を『線』にするデジタルな実務を担いました。この作業で、渋谷から各容疑者の自宅周辺まではおそらく2~3日で到達しているはず。

防犯カメラがない道路もあるので、そこから先は捜査1課などの捜査員が周辺で聞き込みをして、自宅を特定したと思われます」

たしかに、防犯カメラは凄い。ただ、常に見られているというのは、気分のいいものではない。

発売中の週刊現代では、この他にも'11年の東京目黒区老夫婦殺害事件での事例や、最新の「顔画像識別システム」についても特集で詳述している。

「週刊現代」2018年12月29日号より

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