渋谷ハロウィン・軽トラ横転犯を捕まえた防犯カメラ捜査の凄さと怖さ

事件発生からわずか2週間で一網打尽 
週刊現代 プロフィール

「画面右に消えたぞ!」

現場の映像から容疑者の外見を特定した後は、移動方向にあるカメラの画像を次々とたどっていく「リレー方式」で足取りを追った。具体的には、こんな具合だ。

「軽トラックから降りた男が、井ノ頭通りに向かって右に消えたぞ」

「捕捉しました。続いて西武百貨店を通過、千鳥足で渋谷駅に向かっています」

「画面左上に男を確認。ハチ公口からJRの改札に入った模様です」

そこから、ICカード乗車券の履歴や聞き込みの情報と組み合わせ、路上から駅へ、駅から自宅へと容疑者を追跡した。

 

SuicaなどのICカード乗車券は、すべてにID番号が割り振られている。改札を通過した時間帯がわかれば、降車駅も特定できる。

そのカードが定期券やクレジットカード機能も備えている場合は、名前や住所さえもわかってしまうのだ(JR東日本の広報担当者に問い合わせてみると、「捜査に関係することは一切お答えできない」)。

「センター街には、警視庁が防犯カメラを20台設置しています。もちろん、設置されているカメラは警視庁のものだけではありません。1階に店舗を構える路面店の多くは、防犯カメラを設置している。そういったところが、映像を提供していました」(渋谷センター商店街振興組合理事長の小野寿幸氏)

本誌がセンター街周辺で聞き込みをしたところ、警視庁のカメラがないメイン通りの出入り口にある店舗や、脇道にある店舗には、くまなく捜査員が訪れていた。

実際に警察から映像提供を求められた店舗の従業員は、こう振り返る。

「事件の翌日、営業が始まって早々に警察の方が『監視カメラの映像を見せていただけますか』とやってきました。聞かれたことはそれだけです。それから、該当する時間帯の映像をUSBメモリにコピーしていました」