提供/ダイハツ工業
近年、クルマの運転免許証を「自主返納」する高齢ドライバーが急増している。
警察庁の統計によれば、2017年の「運転免許の申請取り消し(自主返納)件数」は実に42万3800件。前年の34万5313件に比べ20%以上も増加しており、自主返納制度が導入された2010年以来、過去最大を記録した。
(https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/return_DL.html)
なぜ、これほど多くの高齢ドライバーが免許を自主返納するようになったのだろうか。警察庁が2015年に実施した「運転免許証の自主返納に関するアンケート調査結果」によれば、自主返納を思い立った時期は、おもに次の3つだ。
「運転に自信がなくなったように感じたとき」(19.2%)、「運転する必要がなくなったように感じたとき」(29.4%)、そして最も多かったのは「家族等に勧められたとき」(33.0%)だ。
たしかに家族、とりわけ息子や娘の立場であれば、年齢を重ねた親がハンドルを握ることに一抹の不安を感じ、「いつまでもケガなく元気に過ごしていほしい」という思いから、運転を辞めるように勧めたくなるのは自然な感情だろう。
しかし親としては、長年、親しんできたクルマという「足」を失うことに不自由さを感じ、「まだまだ運転できる」と反発してしまうのも、やむをえないことかもしれない。特に地方で暮らす人にとって、自家用車という移動手段は不可欠だ。日々の買い物にもクルマが欠かせないという人がほとんどである。
前述の警察庁アンケートでも、運転を継続する高齢者に自主返納をためらう理由を聞いたところ、もっとも多かった答えは「車がないと生活が不便なこと」(68.5%)だった。
地方に暮らす高齢者は、クルマがなければ生活そのものが立ち行かない。また、都市部に暮らす人であっても、「趣味の釣りに行くときはクルマが必要」「孫の送り迎えにクルマを使う」など、クルマの運転が「生きがい」という人も少なくないだろう
加えて「クルマの運転をやめてしまうと、健康を損ねる恐れがある」との指摘もあることをご存じだろうか。
高齢者の心身の健康促進を研究している「国立長寿医療研究センター」の島田裕之・老年学・社会科学研究センター予防老年学研究部部長らが、約5000名の高齢者を対象として約4年間の追跡研究を行った結果、運転をやめてしまうと生活機能が極端に下がり、早い段階から要介護状態に陥っていくことや、認知症の発症にもかなり強く関与していることが分かったという。(https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/16070701.htmlなど参照)
驚くべき結果だが、クルマを運転することは、生活の利便性を向上させるのみならず、その人の健康状態をも左右する可能性があるというのだ。
もちろん、周囲から見て明らかに健康状態に問題があるのなら、免許を返納することはやむをえないだろう。
しかしクルマがあることで長く健康に暮らせる、という側面を捉えれば、心身ともに問題がないにもかかわらず、単に「高齢になったから」ということだけを理由に、免許の返納を求めることが良いこと、とも言えないのではないか。
そうした議論や研究をかさねる一方で、ドライバーが、より安全・安心に運転できる環境を整備することも重要だ。車そのものの安全性が高まれば、免許返納についての考え方も大きく変わるだろう。
そんな社会的な要請が高まるなか、ダイハツ工業ではドライバーがより安全にクルマを運転するための、画期的な製品を発表した。
ペダルの踏み間違いによる急発進を抑制する、後付け安全装置「つくつく防止」だ。
思わずクスリとさせられる親しみやすい名称だが、「つくつく防止」はその名の通り、「いま乗っているクルマ」にすぐに取り付けることができる安全装置だ。