どうして、そうするのかというと、「あっ、この人はすごい」と思ったとき、何がすごいのかわかっていないから。すごいとは思うけど、何がすごいのかうまく説明できない。ということは、どこを真似してよいかもわからない。
だったら完全コピーするしかない、というわけです。
なので、私は、「この人に成りきろう」と思ったときは、その人の経歴から調べて、生きてきた背景を知るところから始めます。
自伝があればもちろん全部読みます。
自伝に、その人が読んで感銘を受けた本などが出てくれば、その本も読む。
できるだけ、その人の人生をそのまま歩んでみる。
そうすると、「あっ、この人があのときにこう考えたのは、子どものころのこの体験があったからなんだ」とか、「この出来事が起こったときは、きっとこういう感情がわきあがっていたんだ」など、その人の感情がわかってくるんです。
完コピすることで、その人の思考を体験することができる。
その人の脳ミソを自分の脳ミソにインプットしているようなものです。
すると、だんだん自分の考え方が、その人の考え方に近づいてきます。
何かを判断するときに、あこがれの人と同じような判断ができるようになってくるのです。
科学的に見れば「ミラーニューロン」というものがあります。
その人の真似をすると、お互いのニューロンがコミュニケーションを取り始めて、相手に成りきることができるのです。
真似しているうちに、本質までも似てくるということも、科学的に証明されているのですね。アスリートや俳優などが、あこがれの人を真似るうち、その人にどんどん近づくことってありますよね。このミラーニューロンの効果です。
昔なら、その人の近くにいなくてはできなかったことが、今はYouTubeでその人がしゃべっている映像を見ればモデリングができます。
私もよく、YouTubeを活用して、「あこがれの人」のモデリングをしています。
YouTubeは、モデリングしたい人がよりどりみどり。まるでホテルのビュッフェのような状態です。
とんでもないカリスマの声や動画であふれていますから利用しない手はありませんよね。
たとえば、私はTED Talksの中からモデリングしたい人の身振り手振りや歩き方、声のトーンや話し方のテンポなどを真似ています。
テレビもYouTubeも動画を見るという意味では、ほぼ同じ。ニュースを見て暗い気分になる暇があったら、カリスマの一挙手一投足をまねて、お金と成功をつかみたいものです。