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なぜアマゾンはキンドルを破格の「7980円」で売れるのか

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理央 周 プロフィール

「Amazon GO」の狙いとは

2017年に『アマゾン』が高級スーパーチェーン『ホールフーズ・マーケット』を約1.5兆円で買収すると発表した時は、ちょっとした騒ぎになりました。

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なにせホールフーズはオーガニック食品を扱うリアル店舗の高級スーパーで、アメリカを中心に270店舗以上を展開している熱心なファンが多いお店です。IT企業のアマゾンとは対極にあるように感じます。

続いて2018年、アマゾンは「Amazon GO」というレジのないコンビニをシアトルでオープンしました。Amazon GOもオープン前から大きな注目を集め、現在も連日多くのお客様が来店しているようです。

おそらく今後はアメリカ全土に出店することでしょう。場合によっては世界展開、日本への上陸もありえるかもしれません。

ちなみにAmazon GOの売りは、現金やクレジットカードを出す必要もなく、アマゾンのアプリを入れたスマホで決済ができること。この技術でレジでの支払いがない状態を実現しているため、お客様がレジに並ぶ必要もありません。軽食も充実しており、イートインコーナーもあるため、ランチやカフェ代わりにも利用できるお店です。

さて、ホールフーズもAmazon GOも、ネット販売企業であるアマゾンとは、一見まったく関係がないように見えます。アマゾンの狙いはどこにあるのでしょうか。

 

まず考えつくのは、生鮮食品などを販売するサービス「Amazonフレッシュ」です。自社でリアル店舗を抱えていれば規模の経済を活かすことができるため、生鮮食品などを安く仕入れることができる可能性が高くなります。

ただし、私はこれが本当の目的だとは考えていません。アマゾンの生命線は、とても正確なレコメンデーション機能です。レコメンデーションとは、購買履歴など各種データを基に好みを分析して、お客様におすすめの商品を表示する機能のこと。

ECサイトの多くがおすすめ機能を利用していますが、アマゾンのレコメンデーションは群を抜いて優れていると言われています。

このレコメンデーションに役立てるデータ、つまりお客様のリアル店舗での購買行動情報を取得するのが、リアル店舗展開の第一の目的ではないでしょうか。

実際、Amazon GO店舗の天井には、センサーのようなものが設置されています。まずどこに向かって歩き、どの商品を見て、次にどの商品と見比べて……というように、このセンサーで来店者のすべての行動を観察しているのでしょう。

そのうえで、ネットとリアルでの購買行動がどう違うのか、また共通する点はどこかなどを解析し、より買いやすくできるようにサイトを改善したり、レコメンデーション機能に取り入れたりするのだと思います。ある意味で、Amazon GOは「実験店舗的にスタートする」と言えるのではないでしょうか。