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調剤薬局にビジネスチャンスが

最近は医薬分業が進められて、調剤薬局が増えています。もはやコンビニよりも多く、その数はなんと約5万9000店もあるそうです。調剤薬局などへの医薬品卸を事業としている『天野商事』は、ここに大きなビジネスチャンスを見出しました。それが「おまかせ什器」です。

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調剤薬局にいるお客様には意外と時間があります。処方箋を渡して受け取るまでの間に、お店にある雑誌を読んだり、スマホを見たり、混んでいたら買い物するくらいの余裕もあるかもしれません。

薬剤師さんは処方箋にしたがって調剤し、お客様に対応し……と、みなさん非常に忙しく働いています。

調剤薬局が処方薬以外で売上を上げるには物販が考えられますが、この状況ではなかなか難しいものがあります。在庫確認や返品処理、物販のための接客の余裕がないからです。また、薬剤師さんは販売促進に慣れていませんし、薬局内のスペースの問題もあります。

おまかせ什器は、これらの問題を解決しました。狭いスペースでもすっきりまとまる3段程度の什器を備えつけ、商品の補充も天野商事が行います。

 

のど飴、目薬、マスク、入浴剤、基礎化粧品など、薬局で一緒に売れる商品は意外と多くあります。天野商事はこれらの売れ筋データを持っており、最適な在庫数を補充したり、季節ごとの商品を揃えたりできます。無料で手書きポップも配置し、薬剤師さんがセールストークをしなくてもお客様にアピールできるようにしました。

おまかせ什器の設置は無料です。一度設置すれば、「手間もかからず思ったよりも売れる」と薬局側にそのよさが伝わります。そうなると設置を続けてもらえるので、調剤薬品以外の売上が継続的に上がることになります。

中には天野商事のOEM商品もあり、利益率も高い。自社の売上はもちろんですが、薬局の売上にもなり、お客様も喜ぶ。まさに三方良しの仕組みと言えます。

自社のみでなく顧客やエンドユーザーなど関連ある人々全体のことを考えて仕組みを作ることを、生態系にたとえてエコシステムと言います。対法人の時は特にそうですが、契約するお客様に加えてエンドユーザーの立場や需要を考えるとよりよい仕組みが発想できます。