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保阪尚希さん語る「大ヒット商品を非常識なパッケージで売ったワケ」

とことん、お客さんのことを考えた
保阪 尚希 プロフィール

取引先を大切にする

「保阪流」には、まったく買えない幻の『マンゴープリン』があります。

Photo by iStock

僕はもともとマンゴーが大好きで、フィリピンに留学している時も毎日食べていたほど。マンゴープリンも大好きです。毎月のように新しいマンゴープリン屋さんができるほどマンゴープリンが愛されている香港にもよく行っていました。

そこで、「マンゴーそのものを超えるぐらいのマンゴー入りマンゴープリンを食べたい!」と思ってマンゴープリンを作ったのです。

当然、原価はすごくかかっているのですが、その商品などはただのダンボールに入っているだけ。真っ白い入れ物に賞味期限が書いてあり、それを本当にただのダンボールに分けて入れているだけ、何にも書いていません。

テレビショッピングなので商品の説明は入っていますけど、段ボールにガムテープを貼るだけで送りますから、「え、これ?」と驚くことでしょう。

本当ならそのパッケージにマンゴーのカラフルな絵を付けたり、フィリピンかどこかの民族文様をデザインしたり、南の海っぽくしたいのですが、そうすると絶対的に価格が上がります。

では、それは誰のためになっているのかと思うと、消費者のためではなく、僕自身の満足でしかないなと気がつきました。なぜなら、どうせ捨ててしまうものだからです。

 

例えば、高級ブランドのバッグを買っても、大半の人は箱や袋など取っておいても意味がないと思いませんか。僕は結局、ゴミとして捨ててしまいます。部屋にブランド品の箱だけ積んであるような人もいますけど、邪魔なだけだと思います。

パッケージにお金をかけると、作っている自分の満足度は上がるでしょう。「俺のブランド、かっこいいな」みたいな。全部そろえて順番に並べると、実は竜の絵が浮かび上がる……なんてできなくはないですけど、要らないですよね。

僕もインターネットなどで週に何個もモノを買いますが、包装なんて簡素でいいと思います。とくに食品であれば美味しければいいはずです。パッケージのきれいさなどは誰も求めていません。こだわるところは入れ物ではなく、美味しさや素材です。

本当であれば、特にこのマンゴープリンのような海外のものは、もう少し原価を上げるべきかもしれません。しかし、僕らは原価計算を厳密にしていないのです。海外に何回もミーティングに行ったり視察に行ったり、試食しに行ったりしている費用は原価に乗せていません。

ただ、そういうどんぶり勘定的なことは、自分たちはいいですけど、取引先にまで求めてはいけないと肝に銘じています。

例えば、急にモノを頼んだ時に、気を遣って安くしてくれるのはいいのですが、必ず利益を乗せて請求するように言っています。そうでないと、ただ頼んだだけになってしまうので、付き合いづらくなりますし、そこはビジネスとしてやらないと、お互いのためになりません。

提供する商品は少しでも安くしたいですが、商品作りに関わっている人たちを安く買いたたきたいという気持ちはまったくありません。