Photo:『どん底から1日1億円の売り上げを出す方法』より
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保阪尚希さん語る「大ヒット商品を非常識なパッケージで売ったワケ」

とことん、お客さんのことを考えた
芸能界をセミリタイアし、通信販売の世界へ転身した保阪尚希さん。大ヒット商品を連発し、その裏側を明かした著書『どん底から1日1億円の売り上げを出す方法』(ワニブックス刊)も出版した。俳優だった保阪さんが、なぜここまでの成功を収めることができたのか? そこには「パッケージにお金をかけない」など、常識にとらわれない戦略があった。商品開発の舞台裏を、本人にくわしく語ってもらった。

パッケージはシンプルに

今年の1月、僕の通販ブランド保阪流」で新商品『ストレッチハーツ』を発売しました。これは、肩甲骨と骨盤を中心に「ストレッチ」「ほぐし」「はがし」というトリプル効果を得られる健康器具です。リンパの流れを正常にすることで、頭痛や肩こり、シミ・そばかすも改善できるという優れものです。

Photo:『どん底から1日1億円の売り上げを出す方法』より

発売直後から楽天、ヤフーなどで売上1位を獲得し、あっという間に日本中で在庫ゼロになってしまいました。

お客さんからの注文が入っているのに、生産が追い付かなくて大騒ぎでした。中国の工場もいっぱいで、日本の工場にも頼むしかなかったので、さらに2000万円ぐらいかけて型を作り、何とか回しています。おかげで原価がだいぶ上がってしまったのですが、定価は上げられません。

これは今まで市場にまったくなく、誰も見たことのない商品でした。商品化するまでこれも3年ぐらいかかっています。ピンポイントでいろいろな使い方ができて、価格もギリギリまで抑えてというコンセプトがマーケットにすぐに合ったので、いきなり当たった商品となりました。

まったく広告費もかけていないですし、パッケージは透明なプラスチックで中が丸見え。正直、アダルトグッズかと思えるくらいで……(笑)。パッケージに関しては、簡素でいいということと、その器具の形がハート型で面白いので、陳列する時も中が見えるようにしてほしいということだけを要望して、スタッフに任せました。

 

ここ1年ぐらいかけて、ロフトさんやドン・キホーテさんに置いて、どういう層がどのように買っていくのかを市場調査していました。

市場調査ではあまり売れなかったのですが、その時に思ったのが、「自分の写真入りのDVDと説明書が入ってなかったら、完全に大人のオモチャ。変な形だから、『どうやって使うんだ?』って関心は持ってくれるかもな」ということでした。

それが、通販で売ったら大ヒット。

“お客さんにしてみれば、パッケージなんて関係ないんだな。やっぱり商品だよな”

そう再確認しました。それまでも、パッケージや包装にお金をかけて、結局その分を商品に乗せて高くなるくらいなら、パッケージはシンプルでいいと思っていましたが、それが正しいということがよくわかりました。

「ストレッチハーツ」も輸送を考えたらダンボールがいいのでしょうけど、ダンボールだと商品が見えなくなってしまいます。誰も見たことのない面白い形をしているので、見えなければ意味がないということで一番簡素で安いパッケージになりました。しかも、DVDや説明書もただのラップで貼りつけているだけですから。

本当はパッケージもいろいろとやりたくなるのですが、そこで凝った分、商品価格に転嫁されてしまうので自重しています。