都心3区・駅から徒歩4分・ご近所の質…売れる物件の条件が分かった

マンションは「立地」で決まる
沖 有人 プロフィール

「売れる物件」を買え

ご近所の「人」の質も住環境の一部だ。同じ街に住む人の民度いかんにより、住み心地は大きく違ってくる。行き交う人がお互いに挨拶していて、礼儀正しいと感じられる街は民度が高い。また住民に「わが町の環境を守らねば」という当事者意識が強い街は、美観や環境が維持されやすい。

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物件を選ぶ際は、たとえば近くのゴミ置場に民度が表れる。資源ゴミがきちんと分別され、掃除当番に当たった住民がきれいに清掃しているようなら安心だ。逆に汚れ放題で分別もちゃんとされていない街は住民の質が低く、避けたほうが賢明といえる。

周辺環境はその時点のことだけ考えていてはいけない。今は日当たりや眺望がよくても、建物の前が空き地だったり、老朽化した民家が目の前にあれば、購入後にそこに日照を遮るような建物が建つ可能性がある。そうしたケースでは資産価値の下落は避けられない。

スーパーやコンビニなどの買い物環境もポイントの一つ。地図からではわかりにくいため、自分で実際に足を使って店まで行き、価格帯や品揃えを確認しておくことをお勧めする。

都心で駅近、利便性がよく周辺環境もよいという条件の物件は当然、高額となる。

が、そこでひるんではいけない。なぜなら高額な家ほど値下がりしにくいからだ。資産性を考えるなら、少し無理をしてでも高額な家を買わなければならない。

住まいサーフィンの調査では、たとえば70㎡のマンションであれば、グロス価格3000万円のマンションでも1億円のマンションでも、中古市場ではともに年に100万円ずつ価格が下がることがわかっている。

経年による資産価値の下落は、「持ち家コスト」とも言うべきものだが、その面積あたりの下落幅は高額な物件でも安価な物件でもほぼ同じなのだ。つまり資産価値の経年による下落率は高額物件ほど低く抑えられる。

 

3000万円のマンションが3年経って2700万円に下がるなら、3年で1割の下落率ということになる。だが1億円のマンションが9700万円になる場合、下落率は3%でしかない。

キャピタルゲインを狙うのであれば、住宅ローンの融資枠は100%活用し、さらに親や祖父母からも資金を出してもらって、できるだけ資産価値の高い物件を買うべきである。高額物件ほど狙える含み益も大きくなるし、統計的にも値下がり率が低い。間違っても「今の身の丈に合った家にしよう」などと考えてはいけない。

面積あたりの単価が低い郊外の物件は、都内の高額物件に比べて値下がり率が大きい。そうした物件に手を出すと、差益どころか差損が出てしまう。先にもお話しした通り、売却時の価格がローンの残債を下回るという事態になれば、引っ越したくても売れなくなる。

「買える物件を買う」のではなく、「売れる物件を買う」ことだ。

「理屈はわかるが、金を出してくれるような親もいないし、都心の物件など高くて買えない」という人もいるだろう。

そういう人の多くは、日本人特有の新築志向に囚われている。

23区内であれば、新築でも中古でも値下がり率は同程度なので、どちらを選んでもよい。23区を外れてしまうと、新築から中古になった瞬間に大きく値が落ちるという現象が出てくる。つまり郊外で新築マンションなど買ってはいけないということだ。

都心であれば新築マンションを買っても、中古になったとたんに値が下がるということはない。しかも都心の場合、そもそも新築物件の出物が少ない。たとえば「表参道に家がほしい」と思ったら、新築物件はまず出てこない。「ここがいい」と場所を先に決めるのなら、中古物件を狙うのが定石だ。