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# マネジメント

「リーダー=みんなを引っ張る人」の時代が終了している理由

バーのママの即席リーダー塾
上司の最大の悩みは部下、部下の最大の悩みは上司。
多くのビジネスパーソンが持つリーダーシップの悩みを物語を通して解決する注目書『本物のリーダーは引っ張らない』(講談社)からそのエッセンスを何回かに分けてお届けする。
登場人物は4人。
佐藤浩二:昔ながらの体育会系リーダーシップを実践するも、最近なかなか部下とうまくいかないことに悩んでいるアラフィフ。
高野賢介:優秀な若手として、期待されてリーダーを任されたものの、なかなかうまくいかなくて悩んでいる。
牧村美香:賢介の学生時代からの友人で、最近上司からリーダーにならないかと打診されて、「私なんて向いていない」と悩んでいる。
ママ:リーダーシップで悩める3人が出会ったワインバーの経営者。彼女はじつは7軒の店を経営・成功させている凄腕。即席リーダー塾の講師役。
第3回目は、「リーダー=引っ張る人」ではなくなってしまった理由をママが語ります。
第1回目『まだ、リーダーシップを「引っ張ること」だと勘違いしていませんか?』)(第2回目『優れたリーダーは必ずやっているある基本的な心の習慣』
 

個人も会社もお互いメリットがあった終身雇用

佐藤:自分のことを棚にあげてなんだけど、自分に指を向けないまま管理職やっている奴ってけっこういると思うんだ。その結果、例えば10年課長やっているけれど、管理職としての腕前は10年前と変わらない状態の奴、俺もその一人だったわけだけど。でも、なんでそれで許されてきたのかなあ。そして、なんでそれではダメになってきたのかなあと思って。
 
ママ:佐藤さんの疑問に対する直接の答えになっているかどうかはわからないけれど、私の考え、話していい? 相変わらず、いろいろなお客さんを見たり、話を聞いたりしている中で感じていることだけど。

佐藤:もちろん。

ママ:就職活動なんて言葉があるけれど、これまでの日本って、実際には就社だったわけじゃない。そして終身雇用が前提で会社に入っていたわけよね。無事勤め上げたときの退職金があって、中には社宅もあって家の面倒まで見てもらえるなんてことが普通にあったわけじゃない。

佐藤:そうだね。少なくとも俺が入社した時代は、それがあたり前の時代だったし、その待遇の良さを競いあっていたくらいだよ。

ママ:そうでしょ。就社して終身雇用。ある意味、それは会社に人生を預けるわけよ。会社イコール人生という不文律の契約をお互いに交わすということね。そしてそれは、お互いにメリットがあったから問題もなく成立したの。

牧村:それって、どんなメリットなんですかね。

ママ:社員にしてみれば、人生や生活の安定、安心というメリットね。

牧村:会社にとっては?

ママ:会社にとっては、人材を長期的に囲い込みできるというメリットが一つ。もう一つは社員の人生を預けてもらえるということね。