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大塚英樹が明治安田生命社長に迫る! 「四方よし!」の経営哲学とは

根岸秋男社長「お客様が評価者である」
大塚英樹

顧客満足を徹底追求した経営改革を断行  

出世する人の共通項は、先見性、判断力、行動力、高潔性、率先垂範……といろいろ挙げられる。

とりわけ、誰もが納得するのは業績を大きく上げていることだ。その典型例が根岸だ。  

根岸は、営業所長、商品課長、支社長、企画部長、執行役……と昇格するたびに期待をはるかに超えるような業績を上げている。

 

しかも、あらゆる機会を捉えて、与えられた使命を超えて仕事の範囲を広げているのである。それが随所に評価され、最終的には54歳の若さで企業の頂点に上り詰めるのである。  

では、どうやって業績を上げてきたか。

根岸秋男明治安田生命社長 提供=明治安田生命

根岸は入社以来、問題意識を抱き続けてきた。今、われわれが行わなければならないことはもう一度生保事業の本質まで立ち戻って時代環境の変化を踏まえて考え直すことではないか。  

つまり、原点回帰である。

アクチュアリー(保険数理士)として同社の低い営業職員の定着率、低い契約継続率による収益への影響など現実の数字を直視し続けてきたのが問題意識の始まりとなった。  

営業所長のとき、根岸はクオリティ、営業成績ともに全国のトップクラスへと導いている。

ポイントは営業職員に〝売る力〟を身に着けさせたことだ。

商品知識、売り方などを詳しく説明し、理解させることに腐心すると同時に、自ら率先して顧客への商品提案やアフターサービスを実践することに心血を注いだ。  

当時、生保業界は「ボリューム=収益」主義が蔓延し、現場では新規契約獲得の拡大が声高に叫ばれていた。同社も例外ではなく、営業所はどこも、新規契約の目標数字の達成を競い合っていた。  

しかし、根岸は目標達成の檄を飛ばすのではなく、「顧客との接点づくり」「提案のきっかけづくり」「顧客の要望を踏まえた最適な提案」という、一連のプロセス指導に注力した。

商品課長のときも、見直し自在な新商品「ライフアカウントL.A.」の開発を主導しただけでなく、部署の枠を超えて営業政策そのものを変革する全社プロジェクトを立ち上げ、事務局長として差配している。

続く営業企画課長、業務課長のときも、通例や常識をどうやって破るかの連続だった。

営業職員の評価制度の変革など部署横断的な課題解決に取り組んでいる。

根岸は常に顧客の立場に立って考え抜いていた。