リコー山下良則社長

大塚英樹が山下良則リコー社長に迫る! デジタル改革を断行せよ!

リコー社長「聖域なき構造改革」の秘訣
ジャーナリスト・大塚英樹氏は、長年にわたり企業経営の最前線で「企業のトップ」という存在をウォッチしてきた。その中でいま、大きな変化が起きていることを感じている。大塚氏は近著『確信と覚悟の経営 ーー社長の成功戦略を解明する』で、16人の日本を代表する企業トップに変革の時代を生き残るための「確信」と「覚悟」を聞いた。短期連載で送る。第15回は、リコーの山下良則社長の考え方と素顔に迫る。

「リコー再起動」を宣言 聖域なき構造改革を主導

私は、経営者には「夢」、「志」、「使命感」がなければならないと考える。

使命感を行動に表すには何が必要か。

また、夢を実現する強い意思とは何か。

それは「胆力」、言い換えれば覚悟に他ならない。

 

胆力がなければ、使命感を行動に移すことも、意思を貫き通すこともできない。経営トップは誰しも、失敗したくないと考えている。  

しかし、失敗を恐れずに新しいことに挑戦しなければ企業は変わらない

変わらないと企業は潰れる

したがって、トップたる者、リスクを恐れずに新しいことに挑戦し続けなければならない。そのためには、失敗を恐れない胆力が必要となる。  

この点、山下良則はどうか。

山下は2017年、社長に就任すると「リコー再起動」を宣言。ビジネスモデルの変革を掲げ、聖域なき構造改革を主導する。  

山下改革で特筆すべきは、ビジネスモデルの抜本的変革だ。

山下は、リコーの成長を支えてきた5大原則──「ものづくり自前主義」「直売・直サービス体制」「マーケットシェア追求」「MIF(複合機の設置台数)機拡大」「商品フルラインナップ」を見直すと訴え続けている。  

では、ビジネスモデルをどう変えるか。

市場が成長している時代は複合機を売りさえすれば、用紙・トナーの消耗品とアフターサービスで利益が出た。

ハードウエアの開発競争に勝つことで競争優位を保つことができた。

しかし、ペーパーレス化が進むにつれ複合機や消耗品の需要は低迷、価格も下落した。そこで、複合機に顧客が求めるソリューション(課題解決)機能を乗せ、顧客に付加価値を提供するビジネスモデルへと変革する。  

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つまり、顧客の業務に合わせて、複合機を社内システムと連携させたり、外部のクラウドサービスと連携させるなど端末として活用してもらう。

改革の肝は、まさにデジタル技術によるビジネスモデルの変革にあると言える。