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大塚英樹が迫る!野村HD・永井グループCEOの知られざる「流儀」

会社を根底から作りかえた男の覚悟
大塚英樹

〝正のスパイラル〟をいかに作っていくか

私は、会社の主役トップではない考える。

「会社を変えたい」という社員の思いを1つにまとめ、改革を起こしていくのは、トップではなく「№2」だ。

私がいう№2とは、役職やポジションの「2番目」ではない。

肩書は、副社長かもしれないし、中間管理職かもしれない。№2は、それぞれの階層に存在する。  

№2はトップに意見を具申する参謀であり、ビジョンの具現化を補佐する役割を担う。

 

また、トップと現場の間を繋ぎ、社員の自発性を引き出し、モチベーションを高め、自由闊達な企業風土に変えていく世話役でもある。

ときにはトップと闘い部下とも闘い、企業風土の変革や過去の取引慣習の改善に取り組む。  

その点、永井浩二はどうか。

現在、「すべてはお客様のために」と訴え、国内ビジネスモデルの改革、海外ビジネスの再構築など「顧客第一主義」に基づく改革を推進する。  

重要なのは、永井流顧客第一主義には、「顧客満足⇨社員満足⇨株主満足」という〝正のスパイラル〟を生じさせる意図があることだ。

永井はCEOに就任する前から「お客様、社員、株主の3者の満足度を向上させることが大事」と考えていた。

まず、顧客のニーズに対応したソリューションを提供していくことで顧客の満足度を上げる。

顧客の満足度が上がれば収益が上がる。

収益が上がれば顧客と向き合っている社員の満足度も上がり、モチベーションも向上する。

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社員の満足度が上がればビジネスはさらに拡大し、収益は一層高まる。その結果、株価が上がり、株主の満足度も上がる。3者満足顧客満足から始まる。  

永井は若い頃から「まず顧客との信頼関係ありき」を信条とし、顧客第一主義の実践に努めてきた。

例えば入社6年目、本店営業部課長席(課長級)に就いた折には、売りたい株や投資信託を一方的に勧める今までのやり方では顧客との信頼関係が築けないと気付き、いかに顧客に寄り添い、資産を守りながら投資してもらうか、心掛けている。

また、部下たちに顧客第一主義の考えを伝え、自分と同じ価値観を共有させている。

その後永井は、豊橋、岡山の両支店長、事業法人一部長、企業金融三部長、京都支店長を歴任するが、各部署で部下を顧客第一主義に染め、「すべてはお客様のために」を実践させている。