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大塚英樹が迫る!野村HD・永井グループCEOの知られざる「流儀」

会社を根底から作りかえた男の覚悟
ジャーナリスト・大塚英樹氏は、長年にわたり企業経営の最前線で「企業のトップ」という存在をウォッチしてきた。その中でいま、大きな変化が起きていることを感じている。大塚氏は近著『確信と覚悟の経営 ーー社長の成功戦略を解明する』で、16人の日本を代表する企業トップに変革の時代を生き残るための「確信」と「覚悟」を聞いた。短期連載でお送りする。第14回は、永井浩二野村ホールディングスグループCEOの経営哲学を聞く。

不祥事を改革好機に 支店を回り社員と理念共有

危機を千載一遇のチャンスに転化する。

追い詰められたときこそが新しい方向性を見出すチャンスである──。

言葉で言うのは簡単だが、危機は焦りにつながり、自社のこれまでのすべてを否定してしまい、規律を失い、悪循環に陥る企業は多い。

危機をチャンスに転化するトップは、危機の中でも冷静さを失わずに自分で考えて、考え抜く。

 

そして過去を否定し、前へ突き進む覚悟と胆力があると考える。  

その点、永井浩二はどうか。  

永井浩二野村ホールディングスグループ社長  撮影=中野和志

永井が野村ホールディングス代表執行役社長・グループCEO(最高経営責任者)に就任したのは2012年8月。

中核企業の野村證券の社長になって4ヶ月後だった。

当時、野村の公募増資に関わる公表前情報を漏洩した「増資インサイダー問題」への関与が発覚、グループCEO、同COO(最高執行責任者)が辞任したのに伴い、野村證券社長を兼任する形でグループCEOに就任。信用が失墜した折だった。  

それまでも野村證券はバブル崩壊後の1991年には「損失補填問題」、1997年には「総会屋への利益供与事件」と過去二度、不祥事を起こしており、これが三度目だった。