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地方のマイカー利用者を圧迫する、自動車税「見直し案」の問題点

「走行距離税」が導入されるとどうなるか

税制としてどうか

財務省は、自動車課税を根本的に見直す方向で話を進めている。その背景は、自動車を取り巻く環境の変化が大きい。もともと、自動車税はクルマの所有の有無やエンジンの排気量に対して課すものだった。

ところが、カーシェアリングの普及により自動車は個人が所有するものではなくなりつつある。また、電気自動車の普及でエンジンも小型化し、ガソリン自体使わないクルマも増えてきた。

そこで検討されているのが、自動車の走行距離に応じて、利用者に課税していく方式だ。これは言い換えれば、同じクルマに乗り続けるほど税金を取られることにもなる。モノを大切にするほど重税になるのは納得できない気もするが、税制としてどうなのか。

 

新しい税制を作るとき、財務省はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどの税制を参考にすることが多い。

こと自動車課税に関しては、各国それぞれ複雑だ。どの国も、中央政府(国)と地方政府(地方)が①取得 ②保有 ③利用の各フェーズで課税している。日本では、

①で自動車取得税(地方)、消費税(国・地方)

②で自動車税(地方)、軽自動車税(地方)、自動車重量税(国)

③で揮発油税(国)、地方揮発油税(国)、軽油引取税(地方)、石油ガス税(国)、消費税(国・地方)

となる。ちなみに揮発油税と地方揮発油税は併せてガソリン税と呼ばれ、たびたび消費税との二重課税を指摘される。

諸外国の自動車課税の最近の動向を見ると、

I.燃費の悪い乗用車に重課
II.道路損傷の大きい車両に重課
III.道路利用量に応じて負担を求める対距離課金制度
IV.地方が独自の税を設定

となる場合が多い。要するに、「走行距離で課税」という考え方自体は諸外国の方向と同じである。

アメリカでは一部の州で重量距離税が導入され、車両の総重量と走行距離に応じて課金している。欧州ではドイツが大型車対距離課金を実施しており、フランスも同様の仕組みを導入する予定だ。