自然災害大国で千年以上続く集落「千年村」をご存知ですか?

より豊かな普通さを獲得するために
千年村プロジェクト事務局

認証千年村の誕生

プロジェクトはその後6年をかけて実地に200を超える候補地を訪れ、地域の人々とのワークショップなども行いつつ環境、交通、地域経営、集落の形という観点を基準にして、その地域の長続きの秘訣を探ってきた。

図3:千年村ワークショップの様子(地域の人々と地域の千年村マップづくりをしている様子・群馬県高崎市山名/根小屋)

その結果2017年には、地域持続の良し悪しを検討する千年村チェックリストを作り公開し、地域の人々がそのリストを使って自己評価する方法を公開した。

そしてさらに我が地域こそ「千年村」であると感じたら、そのリストを用いてプロジェクトに千年村認証を依頼することができる(リンク)。

プロジェクト側の認証が済めば、古代文字を組み合わせた特製の千年村ロゴマークを地域の公共用途に用いることができるし、認証千年村同士の交流が始まれば、地域産業の活性化のプラットフォームとしても役立つだろう。

図4:千年村ロゴマーク

千年村で育った米をほかの千年村で酒にしてもらい、さらに別の千年村の食材をふんだんに使った鍋と合わせて一献という夢の組み合わせも実現可能である。そのとき千年村はその地域の立派なブランドとして地域経営に貢献してくれるに違いない。

プロジェクトはある時期まで訪問した地域に対していわば勝手に認証を続けてきたのだが、私たちの活動に遭遇した二つの地域が、地域と相互に手を結んだ形での千年村認証をリクエストしてきた。

 

実はチェックリストによる自己評価方式はこの求めにプロジェクト側が応えるために知恵を振り絞って作ったのであった。

リクエストは三重県津市大里睦合町内の旧地区である山田井(和名抄では田井郷)からきた。津市北部に位置し、世帯数は45そのうち30が農業経営で、約20haの水田と畑地に囲まれた段丘上の村である。

図5:山田井の上空からの様子

そこに住む航空エンジニア関連の会社から帰農した米作り業の辻武史氏(42)からの依頼だった。

図6:辻武史氏・三重県津市山田井在住

ドローンを飛ばして稲の生育を管理する現代派である。彼によれば、この地区は良い地区だが平和すぎて何もブランドがない。

何かヒントはないかと探したところ、偶然ネットで千年村プロジェクトのことを知ったのだった。普通に良い地域に潜む環境の優秀さを証明するには好適なケーススタディだった。

地域側があらかじめ記入したチェックリストを持ちつつ、地域を訪れたプロジェクトのメンバーによって、地形に沿った集落構成と水利用、保存された樹林地、さらに地域を続けていこうという地域の人々の熱意の存在(実はこれが最も重要である)をもとに2017年6月に認証千年村となった。

図7:認証作業の様子(三重県津市山田井)