Photo:『どん底から1日1億円の売り上げを出す方法』より
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保阪尚希さん語る「一発屋にならないロングセラー商品はこうつくる」

「1日1億円」売り上げたことも
芸能界をセミリタイアし、通信販売の世界へ転身した保阪尚希さん。大ヒット商品を連発し、その裏側を明かした著書『どん底から1日1億円の売り上げを出す方法』(ワニブックス刊)も出版した。なかでも電子レンジ専用スチーム調理器『ラ・クッカー』は、1日1億円売り上げたこともある看板商品。なぜここまで人気が出たのか、本人に「ヒットの秘密」を語ってもらった。

自分が最初の「クレーマー」になる

40歳に向けてのモノ作りを考えた『保阪流』で一番のヒット作は、電子レンジの調理器具の『ラ・クッカー』です。

Photo:『どん底から1日1億円の売り上げを出す方法』より

これが商品化に至るまで3年ほど、僕はどれだけの試作品をぶっ壊したことか……。料理の初心者向けに開発したので、「油を入れて加熱しないでください」と書いても使うかもしれないし、何を入れるかわからないので、いろんな素材を入れて実験しました。

アメリカの話ですけど、濡れた猫を乾かそうと電子レンジに入れたなんて話もあるくらいです。しかも、損害賠償を求める訴訟になったので、今は電子レンジの取扱説明書には「動物を入れないでください」と書いてあります。

信じられませんが、そういう人もいるわけです。だから、僕がありとあらゆることをするクレーマーとなり、試作品をチェックしました。

例えば、中に生の殻付きの栗を入れてみて、高熱になった時にプラスチックに刺さったらどうなるのか、そんなことするヤツはいないだろうなと思いますが、僕はいろんなことをやってみます。

 

タマゴを入れてチンする人も当然いるので、どのぐらいで破裂するのか、破裂したとしても安全性は担保されるのか、最初にいろいろやってみます。鶏肉も破裂します。あらゆることをやり倒して、製品の厚さや形状を工場と徹底的に議論して、最終的にレシピを決めていきます。

もちろん、開発には時間だけではなく、お金もすごくかかります。そのため、商品開発に関わる誰しもが真剣勝負です。それにお互い応えていくには、たぶん熱意しかありません。最終的には、お互いに顔を合わせて直接話すしかないと思います。だから僕は燕三条でも上海でもドバイでもどこにでも行ってパートナーたちと話をします。

日本のビジネスマン、日本の企業のいけないところは、現場に行かないことです。例えば、外国で本気でビジネスをしたいのなら、乗り込んでいかなければ相手に熱意が伝わりません。

工場も同じで、メールで言うのと直接話すのとでは全然違います。直接、「こんなの入れて試したら壊れた」などと言うと、彼らも技術者なので意地になります。工場側としてはすごく嫌だと思いますが、その意地にどうやって火をつけていくのかが問われます。

しかし、それは逆に発売後の安心につながります。最初から中途半端なテストだけであれば、いざクレームが来た時に対応できないでしょうから、だったら僕が最初のクレーマーになろうと思って開発に携わっています。