鬱も詐欺も左遷も経験した金髪銀行員だった僕はこうして「変わった」

人は変われる
伊藤 羊一 プロフィール

迷った時には、ワイルドな選択をしろ!

その後、グロービスから誘いがあり大学院の講師にも就任。これをきっかけに、当時ヤフーの社長を務めていた宮坂学氏(2018年に退任し、現在はヤフー取締役会長/Zコーポレーション代表取締役社長)から「Yahoo!アカデミア」学長就任に誘われることになる。

「孫(正義)さんの後継者を育てることを目的としたソフトバンクアカデミアというカリキュラムで、eコマースに関するプレゼンをしたんです。そのときに、『キチリクルン』というビジネスモデルについて話しました。

これは完全に、僕の造語。注文が入ったら、『〇月〇日にお届けします』とお知らせして、きちんとその日に届ける(来る)。サプライチェーンを整備して納期を明確にする、という仕組みを一言で表しただけなんですが、孫さんには『キチリクルン、いいね!』と言われました。そのプレゼンをきっかけに紹介されたのが宮坂との出会いです。

この時、人に何かを伝える、ということは、相手の心に自分の想いを残すことが重要なんだ、ということを知りました。当たり前ですが、何かを『伝える』だけではなく、『相手に動いてもらう』のが目的なのだなと。その後、スタートアップの経営者たちに対するプレゼンの稽古を始めました。その集大成が著書の『1分で話せ』なんです。

いかに自分を俯瞰的に見て、聞く人の立場になって話すかが重要。これは人間関係を築くうえでも、最も大事なことなんです」

伊藤氏は特に影響を受けた人物の一人に、同い年の宮坂氏の名前を挙げる。

「宮坂が使っていたフレーズの一つに、『迷ったらワイルドな方を選べ』というものがある。宮坂が使わなくなったんで、今では僕の独自のフレーズのように使っていますけど、無難な選択はするな、ということ。迷ったらマイルドな選択肢ではなく、ワイルドな選択肢をとれ、と

 

興銀、文具メーカーを経て、Yahoo!アカデミア学長に。ワイルドな選択をして、ベストセラー作家にものし上がった伊藤氏は、自身の境遇を振り返りながら「人は誰でも変われる」と説く。

ではいかにして、人は変わっていくことができるのか――これから始まる伊藤氏の新連載ではそれを明らかにしていきたい。