# 世界経済

「ファーウェイショック」が今後の米中関係に与える深刻な影響

世界経済の下方リスクも高まった

ここへ来て、米中間の貿易戦争が激化する懸念が高まっている。注目すべき点は、対中交渉の責任者が穏健派のムニューシン財務長官から、強硬派のライトハイザー米通商代表部(USTR)代表に移ったことだ。この責任者交代は、金融市場の市場参加者を大きく混乱させた。

追い打ちをかけるように、中国のIT大手、ファーウェイの副会長兼CFOが米国の対イラン制裁違反の疑いでカナダ当局に逮捕された。ファーウェイは中国のIT先端技術振興のけん引役であり、中国の先端技術を担う経済の本丸だ。その企業に米国の捜査の矛先が向かうことの意味は大きい。

 

米国内で高まる対中強硬姿勢

12月1日の米中首脳会談後、一旦は米中が貿易戦争の激化を避けるとの見方が広がった。特に、中国が米国から1.2兆ドル(約113兆円)超の輸入拡大に取り組むとの発表を受けて、多くの市場参加者は、米中が衝突ではなく妥協点の探り合いを進めたとの見方を強めた。そのため3日の金融市場では世界的に株価が上昇した。

また、2019年1月1日から米中が貿易戦争を休止し90日間の協議を行うとクドロー国家経済会議(NEC)委員長が発表した。同氏は、ムニューシン氏と並ぶ対中穏健派だ。しかし、その直後にホワイトハウスが12月1日から90日間が協議期間であると訂正した。この背景には、ライトハイザー氏やナバロ国家通商会議委員長の意向があったようだ。

今後、米国の責任者はライトハイザー氏が務める。同氏が問題視するのは、中国の知的財産の侵害などが米国の安全保障を脅かしているということだ。突き詰めていえば、強硬派は中国のIT先端技術振興政策である“中国製造2025”をやめさせたい。間髪おかずに制裁関税をかけて中国を追い詰めたいというのが強硬派の発想だろう。

また、協議期間が訂正されたことを見ると、トランプ大統領や政権ブレーンが、対中強硬派の主張を抑えることが難しくなっている可能性がある。その見方が正しいとすると、今後の貿易戦争の激化は避けられないだろう。4日以降の世界的な株価下落の背景には、そうした不安を抱く市場参加者の増加があったと見る。

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