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習近平のディナーで判明「中国は米国にここまで追い詰められていた」

これは「囲い込み」ではない。隔離だ

「異例のキーマン」登場の意味

12月1日のドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席のトップ会談が決裂を回避し、現下の米中貿易戦争を「小休止」にしたことを理解するには習主席一行の布陣が参考になる。

アルゼンチンでのG20に参加した各国の首脳たち(Photo by GettyImages)アルゼンチンでのG20に参加した各国の首脳たち(Photo by GettyImages)

同日夕5時30分から始まったワーキングディナーに習近平国家主席(中国共産党総書記)が引き連れて臨んだメンバーは、以下の通り。

習主席最側近の丁薛祥党中央弁公室主任(政治局員)、経済・貿易交渉責任者の劉鶴副首相(政治局員・元党中央財経領導小組弁公室主任)、外交責任者の楊潔篪党中央外事領導小組弁公室主任(政治局員)、王毅国務委員兼外相、鍾山商務相、何立峰国家発展改革委員会主任、王受文商務次官、崔天凱駐米中国大使である(ちなみに米中首脳会談出席者リストは開始直後に発表された)。

 

まず指摘しておくべきは、共産党中央の”官房長官”と言うべき丁薛祥氏をアルゼンチンに同行、米中首脳会談に同席させたことである。日本の首相外遊に官房長官が同行することはない。官房長官はあくまでも留守役だ。

習主席の外遊、昨年4月のフロリダ州の大統領別荘(マールアラーゴ)訪問だけではなく、オバマ大統領時代の2013年6月のカリフォルニア州サニーランドでの米中首脳会談などすべてに同行してきたのは王滬寧党中央政策研究室主任(当時・政治局員=2017年10月に政治局常務委員昇格)であった。

丁氏同行は11月の環太平洋経済協力(APEC)首脳会議に続く2回目である。

習主席はそもそも、深刻な国内経済減速と米国との熾烈な貿易戦争という、2つの厳しい内外問題に同時対応を迫られるような展開を望んでいなかった。

それだけではない。習近平指導部が今夏以降、昨年10月の第19回共産党大会で打ち出した貧困撲滅と債務削減を覆して、再び大型財政出動に舵を切ったものの株価下落・人民元安に歯止めがかからないことから共産党内に微妙な空気が流れるようになったとされる。

こうした内政上のリスクがある中での米中トップ会談の難しさを党中央のキーマンに見せておく必要があったのではないか。

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