日本中で患者が急増中…! 知っておきたい「子宮体がん」のこと

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子宮体がんは予防できるのか?

では、そもそも、子宮体がんになりにくいカラダにするには、どんなことに注意するとよいのでしょうか?

食生活と肥満

高脂肪・高カロリー食を制限することが重要です。脂肪摂取量が多いと体内の脂肪組織が増え高エストロゲン状態につながります。エストロゲンが長期にわたって子宮内膜を刺激することになり、細胞増殖が促進されるため、がんが発生しやすくなります。

日本人女性は、カロリー源のおよそ45%を脂肪に依存しているといわれますが、アメリカでは30%以下に抑えることが提唱されており、私たちも参考になる情報だと思われます。

逆にすすんで摂取すべき食物として大豆があげられます。大豆に多く含まれるイソフラボンエストロゲンの構造と似ているため、組織の細胞にあるエストロゲンを感知する受容体に結合しやすく、結果的にエストロゲンそのものの吸収と作用を抑えると考えられているのです。さらに加えて、青魚や野菜・くだものなどとともに、血中のエストロゲン値を下げる効果もあるといわれています。

肥満は、子宮体がんのリスク要因として第一にあげられます。BMI値が25を超えないような体重管理が理想的です。

 BMIの求め方 BMI = 体重(kg)/身長(m)×身長(m)
【図】BMI
  image by gettyimages

運動

運動は子宮体がん予防に効果的であることが、研究データからも明らかになっています。日常生活を活動的に送るとともに、継続した運動が重要です。自分の生活に合わせて行える運動を見つけましょう。長時間座ったままでいることは、子宮体がんのリスクが高くなるともいわれていますので、こちらも気をつけたいところです。

たとえば、1日5000歩程度のウォーキングをして、普段は座りっぱなしにならないように家事にこまめに立ち歩いたり、ストレッチなどを織り込むとよいでしょう。

経口避妊薬

エストロゲンプロゲステロンを含む経口避妊薬は、避妊目的以外にも、月経痛や月経量の軽減、子宮内膜症の治療でも使われますが、子宮体がん予防にも効果あるという研究結果が出ています。

規則的に服用すると、排卵を誘発するホルモン(ゴナドトロピン)が減るため、排卵が抑制され、また子宮内膜へのエストロゲンの持続的な刺激が避けられて月経が規則正しくなり、子宮体がんの発症予防につながると考えられます。

しかし、経口避妊薬の服用が望ましくない場合もあるので、服用に際しては婦人科医に相談するのが望ましいでしょう。また、経口避妊薬は規則的に服用しなければならないので、飲み忘れなどに注意しなければなりません。

なってしまったときは?

不幸にも、見つかってしまった、かかってしまった、という場合、がんの臨床病期により次のような治療があります。

●子宮体がんの進行期と治療方法

進行期

  • I期:がんが子宮体部に留まっているもの
  • II期:がんが頸部間質に浸潤するが、子宮をこえていないもの
  • III期:がんが子宮外に広がるが、小骨盤腔(恥骨と仙骨の空間)をこえていないもの、またはまたは所属リンパ節(関係するリンパ節)に広がるもの
  • IV期:がんが小骨盤腔をこえているか、明らかに膀胱ならびに・あるいは超粘膜に浸潤するもの、ならびに・あるいは遠隔転移のあるもの
    【図】小骨盤腔の位置

治療方法

【図(チャート)】子宮体がんの進行期と治療日本婦人科主要学会編『子宮体がん治療ガイドライン 2018 年版 第4版』より改変

手術をした場合、術後に、卵巣を一緒に切除したことによる卵巣欠落症状が現れることがあります。これは、のぼせや発汗、倦怠感、不眠などの更年期症状に似たものです。また、骨盤周囲のリンパ節をとることで、リンパ浮腫などがおこる場合があります。いずれも治療やケアの方法があります。

ご家族など、周囲の方も理解していただきたいことが、心の問題です。治療の結果、子宮を失ったという現実によって、気分が落ち込み、なかには喪失感を覚える方もいます。

また、悲壮感、怒り、罪の意識などを覚え、食欲不振や自殺願望といったサインが見られるようであれば「うつ状態」になっている可能性があります。このような症状が見られ、それが2週間以上続くようであれば、医学的アドバイスや心理カウンセリングを受ける必要があります。

各地の大学病院やがん専門病院などには、がん患者さんの心の問題を専門とする腫瘍精神医、精神看護を専門とするリエゾンナース、心のケアの専門家である臨床心理士などの専門職が常駐しています。不安な毎日を過ごしているようでしたら、相談するようにしましょう。

【写真】不安に思うなら相談する
  不安に思うようなら、心の問題の専門職に相談する photo by gettyimages

これまで情報が少なかった子宮体がんですが、『Q&Aでわかる「子宮体がん」』では、子宮体がんと聞いて、疑問に思うこと50項目をピックアップして、詳しく解説しています。また、最近明らかになりつつある、子宮体がんにかかりやすい体質「リンチ症候群」についても詳しく解説しています。子宮体がんに関心がある、不安に思う女性とその周囲の方に参考になる1冊です。

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