高校時代からメジャー指向が強かった埼玉西武ライオンズのエース・菊池雄星がいよいよ海を渡る。
メジャーリーガーといえば、常人では一生かかっても稼げないような高年俸でプレーするわけだが、最多勝のタイトルを持つ日本最速左腕となれば、その数字は天文学的なものになるだろう。
しかも、菊池と契約して、入団交渉の席に着くのは、アメリカでも屈指の辣腕エージェントだというのだ。
西武ライオンズの菊池雄星投手がポスティング申請を終え、いよいよメジャー球団との交渉が解禁となります。
報道などを見る限り、サンディエゴ、シアトルなどが移籍先として候補に挙がっていますが、両チームとも「来季は絶対に優勝だ!」というチーム状態ではありません。
特にシアトルは、今月頭にチームの看板選手であるロビンソン・カノ内野手、クローザーのエドウィン・ディアス投手をトレードに出しました。その代わりに獲得したのは、まだ19歳のジャレット・ケレニック外野手、23歳のジャスティン・ダン投手、同じく23歳のガーソン・バティスタ投手などの若手中心の5選手と報じられています。
完全に「早くて3年、時間がかかっても5年」といった中期的強化ビジョンを持っている「sell」のチームになっています。菊池投手は今、27歳ですから、このタイミングで中堅チームに入って経験を積んで自信をつけ、3〜5年後にエースとして優勝するという、チームと本人のピークが一致する移籍になるのが理想かもしれません。
一方で、ヤンキースやドジャース、レッドソックスなどプレーオフを戦ったビッグクラブも興味を示しているようですね。これは、それぞれの球団で日本人投手が実績をしているのでまあ、当然の流れかもしれません。日本人投手、それも各チームでエースだったような一線級の投手は、一定のクオリティを保ってこっちでも活躍できているので、ある程度の評価を勝ち得ています。
彼は27歳で一軍での経験も十分に積んでいますので、大谷翔平選手のポスティングのときの「27歳未満でプロ経験が6年未満」という、メジャーの新労使協定には当てはまりません。黒田博樹投手や田中将大投手ら、過去にメジャー入りしたほとんどの投手と同じプロセスで交渉のテーブルにつきます。金額に大きくなるぶん、期待も比例して上がっていくでしょう。
そこでキーマンとなるのが、エージェント、代理人の存在です。