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Jリーグの「群雄割拠」は本当に喜ぶべきことなのか

ある種の「弱さ」の表れかもしれない

まるで「王が不在の戦乱」

「どうして、こんなことが起こっているんだ!?」

今年9月からヴィッセル神戸を率いるファンマ・リージョ監督は、当惑するように言った。

「昨シーズンまで降格の危機に瀕していたようなチームが優勝を争ったり、7連勝した後に、7連敗するチームがある。昇格したばかりのチームが優勝することもあるそうじゃないか。これほど戦力が拮抗したリーグはない」

スペインだけでなく、メキシコ、コロンビア、チリなど世界各国で指導してきた経験のあるリージョにとっても、Jリーグの群雄割拠は奇異に映った。

ヴィッセル神戸のファンマ・リージョ監督(Photo by gettyimages)

例えば、リーガエスパニョーラ(スペインリーグ)でレアル・マドリー、FCバルセロナの最終順位が4位以下に落ちたら、それは青天の霹靂である。アトレティコ・マドリーもそれに準じるチームと言える。

シーズンのサプライズになるようなチームは、必ず2、3チーム出てくるものだが、それも想定内であって、全体としての大きな不均衡は起きない。1試合ごとの波乱はあるものの、順位に反映される不確定要素は限定的だ。

その一方で、Jリーグはまるで”王が不在の戦乱”のような様相を呈している。

例えばサンフレッチェ広島は、2015年シーズンのチャンピオンチームでありながら、2017年シーズンは深刻な降格回避争いに巻き込まれている。今シーズンの前半戦は一転して首位を独走。ところが、終盤9試合は2分7敗という失速で優勝を逃している。まるでジェットコースターだ。

 

また、名古屋グランパスは前半戦に引き分けを挟んで11連敗。降格は秒読みという状況に追い込まれていた。しかし、その後は反転攻勢で7連勝。最後はもたついたが、どうにか残留を果たしている。

残留争いは熾烈を極めた。最終的に、横浜F・マリノス、湘南ベルマーレ、サガン鳥栖、名古屋グランパス、ジュビロ磐田の5チームが勝ち点41で並んでいる。一方で、残留争いの真っただ中にあったガンバ大阪は9連勝で9位まで浮上。2位の広島とJ1参入プレーオフ戦に回った16位、磐田の勝ち点差はたったの16ポイントだった。

どこが上位に進んでも、下位に転落しても、不思議はなかったのである。

不安定さか、実力伯仲か——。紙一重の差とは、まさにこのことだろう。Jリーグは、クラブの順位を予想するのが困難で先が読めない。

2011年シーズンには、J2から昇格した柏レイソルがJ1で優勝を果たしている。これは2014年シーズンのガンバ大阪も同様である。2017年にはJ2から昇格したセレッソ大阪が、ルヴァンカップ、天皇杯の二冠を達成。セレッソは大きなジャンプアップを遂げて、2018年シーズンはさらなる躍進が期待されたが、チーム内のゴタゴタが続き、優勝争いにも食い込めなかった。

では、Jリーグのクラブが一進一退で、差が出ない理由はどこにあるのか?