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米中会談・トランプ圧勝でも消えない中国の「世界覇権への野望」

このまま引き下がれるわけがない

追い詰められた中国

世界が注目した先週12月1日の米中首脳会談は、トランプ米大統領の圧勝で終わった。90日間の休戦とはいえ、いずれ対決の再燃は必至だ。北方領土問題や北朝鮮の核開発問題などでも進展があった。世界は大きく動いている。

 

主要20カ国・地域(G20)首脳会議を機に、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれた米中首脳会談で、中国は農業やエネルギー、工業製品の輸入拡大に加えて、焦点の技術移転の強要や知的財産保護、非関税障壁、サイバー攻撃と窃盗問題でも、改善に向けた交渉の開始を約束せざるをえなかった。

これに対して、米国が見返りに差し出したのは、2000億ドル分の制裁関税率を10%から25%に引き上げる予定だったのを、90日間延期しただけだ。中国が改善しなければ、引き上げられる。さらに、2670億ドル分の制裁関税を追加する可能性も残っている。

ムニューシン財務長官は12月3日、テレビで「中国から1兆2000億ドル(約136兆円)を超える輸入拡大提案があった」と明らかにした。米国が失ったものは、実質的に何もない。これだけ見ても、中国がいかに追い詰められていたか、が分かる。

中国は時間稼ぎしたものの、この後は米国が納得する改善案を示せるかどうか、にかかっている。ポンペオ国務長官は12月4日、講演で「中国の経済発展は民主主義の受け入れにつながらず、地域の安定にも寄与しなかった」と語った。米国の強硬姿勢は本物だ。

中国の選択肢は2つある。大幅譲歩して、休戦期間を延長するか。あるいは譲歩せず、強行突破するかである。対決姿勢を貫くなら、問題は貿易にとどまらず、南シナ海をめぐる安全保障分野まで一気に炎上する可能性がある。

90日の期限は2月末だ。先週のコラムで書いたように、中国は3月初めから国会に相当する全国人民代表大会(全人代)を開く(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58716)。全人代を前に、習近平国家主席は大幅譲歩しにくいだろう。

いずれにせよ、いま交渉のテーブルに上っているのは貿易問題、それも一部にすぎない。国営企業に対する補助金問題などはこれからだ。休戦が延長されたところで、米中対決の本質が解決するわけではない。

真の問題は、米国を倒して世界一の覇権を目指す「中国の野望」である。