陸自幹部も驚いた、ヤバすぎる「自衛隊の闇組織」の実態

深刻な外交問題を引き起こしうる危機
石井 暁 プロフィール

防衛省・自衛隊の暴挙

これまで部隊同士の連携がなかった陸海空3自衛隊のヒューミント(人を媒介とした諜報活動、人的情報集活動のこと)部隊を、防衛省情報本部が一元管理する仕組みに防衛省が改めようとしているのだ。

ここで注目すべきは、この3自衛隊のヒューミント部隊の中核をなすのが、首相、防衛相も存在を知らされず、文民統制(シビリアン・コントロール)を逸脱している非公然部隊「別班」である、という点だ。

「国民にも、国にも『別班など過去も現在も存在しない』と言う説明を繰り返していればいいんだ」という防衛省・自衛隊の一種の開き直り、暴挙とも捉えることができる。到底看過できるものではない。

「別班」をめぐる動きでは、こんな構想もある。それは、陸上幕僚監部が非公然秘密情報部隊「別班」を、陸上自衛隊唯一の特殊部隊である「特殊作戦群」と一体運用する計画を検討していた、という事実だ。

 

この一体運用構想は、自衛隊の海外展開を念頭に、特殊作戦とインテリジェンスを連携させるのが狙いだという。具体的には、国際テロ組織アルカイダの指導者で容疑者のウサマ・ビンラディンをパキスタンで急襲、殺害した米海軍の特殊部隊「SEALS(シールズ)チーム6」を目標としているという証言も得られた。

これは制服組の独走だ

「特殊作戦群」は、

■ 敵地への潜入
■ 攻撃目標の偵察
■ 海外での人質救出
■ 海外の要人暗殺

といった4つの任務を果たすための訓練を極秘裏に重ねてきたものの、その過程で現地の協力者などを使って情報収集するヒューミント能力が決定的に欠けていることが判明した。その結果、「別班」を「特殊作戦群」と一体運用する構想が浮上したのだ。

「別班」と「特殊作戦群」の一体運用構想は、文民統制を逸脱する海外情報活動をしている部隊を使い、憲法が禁じる「海外での武力行使」に踏み込む任務を想定していることから、二重の意味で自衛隊制服組の独走といえよう。

この構想をはじめて知ったとき、「陸上幕僚監部は、別班についてここまで大胆なことを考えていたのか」と驚愕せざるを得なかった。

「特殊作戦群」のメンバーは群長を除き、公式の場では黒色の目出し帽をかぶることが義務づけられている。陸上自衛隊の中でも特別な部隊で、やはり厚い秘密のベールに包まれている。

最後にもう一度繰り返す。「特殊作戦群」の目標は「敵地への潜入」や「海外での要人暗殺」などだが、それと一体運用される(首相や防衛相が「知らない」という)「別班員」が実行に及んだ場合、どんな深刻な外交問題を引き起こすか……。こうした事態について、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、「文明的な民主主義国家では考えられない。まさに日本のインテリジェンスの恥」と指摘している。

自衛隊が真に世界に誇りうる、民主主義国家の実力組織になるためにも、「別班」の存在を国が認めるとともに、国が正式に認めた正しい組織をつくるべきだろう。