事件の深層! 積水ハウスはなぜ「地面師の嘘」を見抜けなかったのか

闇の犯行集団の恐ろしい正体

積水ハウス事件は氷山の一角だ

地面師はなにより相手の心理を読み、騙す術に長けている。事件では、精巧に作成された地主の元女将の偽造パスポートという武器が大きくものを言った。会社員として物証が整っていれば、取引を中断する理由はない。そんな心理が働いたのかもしれない。

事件は日本を代表する住宅建設会社の経営を揺らした。騙されたその責任をめぐり、会社のツートップが反目し、あげくにクーデター騒動に発展する。そのクーデターの詳細については、稿を改めて記したい。

地面師たちは文字どおり神出鬼没、変幻自在に動く。取材を続けると、想像以上に数多くの事件に出くわした。赤坂の駐車場を巡り、ホテルチェーンのアパグループから12億6000万円を騙し取ったグループは、他にも二つの事件に手を染め、被害総額は22億円にのぼる。

 

だがその実、地面師たちの犯行で警視庁が逮捕、起訴に漕ぎ着けた事件は、氷山の一角でしかない。むしろ摘発できず、捜査が難航しているケースは数限りない。まさしく闇の犯行集団という言葉がぴったりの詐欺師たちである。