3日待ったら鮮やかな絵が出現!「微生物アート」の奥深き世界

赤富士もお花畑も自由自在です!
「微生物アート」とは、寒天培地をキャンバスに見立てて細菌などの微生物で絵を書くアートのこと。微生物を植えて、数日間育てることで絵ができあがっていきます。

アメリカの微生物学会ではコンテストも行われていて、SNSでも人気を集めているんです。バイオ系の読者の方は、やってみたことがある人も多いのではないでしょうか?

そこで「リケラボ」編集部は微生物アートや微生物そのものの魅力に迫るべく、山梨大学生命環境学部環境科学科の田中靖浩先生にお話をうかがってきました!

力作がずらり! 微生物アート体験授業

田中先生は、学生さんと一緒に微生物アートをつくっているそうです。研究の合間の息抜きとして取り組むだけでなく、学部の授業では研究室に入る前の1〜3年生を対象に、微生物アートの体験授業も行っているのだとか!

取材にうかがった日は、ちょうど3年生の学生さんたちが授業でつくったアートをお披露目するとのことだったので、見学させてもらいました。

ずらりと並んだ微生物アートは、どれも個性が現れていてとっても素敵です! ちなみに、学生さんたちにとっては今回が初めての微生物アート体験だったのだとか。

いくつかの作品をさっそく紹介いたしましょう。まずは、花びらのグラデーションがとてもきれいに表現された作品から。

右側の作品は、違う種類(色)の微生物(今回はいろいろな細菌を使用)を組み合わせてグラデーションを表現しようとしたもの。左側は、細菌を乗せる量を調整してグラデーションに。

つくった学生さんいわく、「どちらがきれいに色の濃淡を出せるかなと思って両方試してみましたが、左側の作品のほうがうまくいきました」とのこと。細菌を乗せる量を繊細にコントロールするのはなかなか難しいことですが、しっかりと美しいグラデーションが現れています。

違う種類の細菌を使うと混ざってしまったり、細菌の成長速度や密度の違いで色の現れ方にばらつきが出てしまったりするため、さらにテクニックが必要なようです。

続いてこちらは、複数の細菌を使って色を塗り分け、迫力のある赤富士を表現。少しずつ隙間を空けて塗ることで、細菌が混ざらずきれいに色を分けることができました。

まるで紙にペンで描いたように、なめらかな線できれいな仕上がりです。細菌を乗せるときに線がぶれないようにするには、優しくすべらせるようにするのがポイントとのこと。

土星の上に浮かんだ白い点は、コンタミ(他の種類の細菌やカビ等が混入すること)によって偶然あらわれた模様だそう。