カーリング代表が流行語大賞受賞! 今だから話せる平昌五輪取材秘話

”常呂のジローラモ”の功績!?
竹田 聡一郎 プロフィール

SMSで取材コメントをくれたカー娘

小野寺コーチの秘話だけではなく、オリンピアン自身もPACCでは、「オリンピックのアイスだな、という感慨はある」(清水徹郎)、「もちろん、五輪マークはもう外されていますが、帰ってきたなという気持ち」(藤澤五月)と、振り返っていたが、感慨を抱くのは選手だけではない。

 

私ごとで恐縮だが、 僕は平昌五輪の期間中、記者IDを持たずに、右往左往しながら取材をした。日程が進むにつれ激化するチケット争奪戦、ホテル不足との事前情報(実際に行ってみればモーテルはかなり空室があった)があったので、ソウルを拠点にして、連日始発のKTX(新幹線)に乗って会場に通った。

今、振り返ると苦労はしたけれど、そのぶん、多くの人の善意と熱量に触れた期間でもあった。特に男女問わず選手にはみな、お世話になった。

男子選手は、記者IDを持たない僕をスタンドに見かけると笑いながら寄ってきて、「(取材)パスを持っていない人には喋ることはないなあ」とイジりながらも、その日の調子や抱負を語ってくれた。

平昌で男子代表だったSC軽井沢クラブも、カメラを構えると常に目線をくれた

女子はもう既に韓国でも人気者になりつつあったので、スタンドにこそ上がれはしないが、カメラを構えると目線をくれ、手を振ってくれた。吉田知那美は開幕前にSNSを通して、

「(前略)私たちとしては『ここが人生のすべて』ではなく、この舞台で、選手としても人としてもまた一つ成長する、ひとつの大切な通過点であるっていう気持ちで自分自身に挑んで行こうと思っています。(中略)以上今日のミックスゾーンでした」(本文ママ)

などとメッセージをくれた。

ミックスゾーンとは、ID を持つ記者が取材を許可されたエリアを指すが、「気遣いの人」である彼女なりの、IDを持たない僕へのエールだったのだろう。

それ以上、泣きたくなかったし、彼女たちの厚意に甘えるのは、記者としてルール違反だろうし、何より大事な五輪前に集中してほしかったので、「頑張っていい記事を書くので、以降のレポートは不要です」という旨の返信を、なるべく丁寧に送った覚えがある。