丸佳浩が「巨人で3番」になるために待ち構えている試練

自信に満ちているが、さて
二宮 清純 プロフィール

丸が歩かされた後の…

さて丸選手が加わったことで、巨人で最も得をする選手は誰でしょうか。「得をする」というのは不粋な言い方ですが、ランナーを置いて打席に立つ機会が多くなるわけですから、丸選手の後を打つ4番、5番、6番バッターは昨年以上に打点を稼げる確率が高くなります。

とりわけ昨季、打率3割9厘、33ホームラン、100打点と大ブレイクした4番の岡本和真選手にとっては、ありがたい存在です。打点王は現実的な目標と言っていいでしょう。

 

V9巨人は1965年からスタートします。ここからの9年間で首位打者に4回、ホームラン王に9回、打点王に6回輝いた3番の王さんの実績に比べると、4番を打っていた長嶋茂雄さんは首位打者2回、打点王3回とやや見劣りします。

それでも68年からは3年連続で打点王に輝き、勝負強さを印象付けました。「記録よりも記憶」。たとえ4打数1安打でも、その1安打に価値があるのが長嶋さんでした。

長嶋さんと言えば今でも語り草のシーンがあります。1966年8月3日、中日のピッチャー板東英二さんは3番の王さんを敬遠しました。9回表2アウトランナーなしからの敬遠ですから、4番の長嶋さんが怒らないわけがありません。レストスタンドに飛び込む決勝2ラン。

このシーンもそうですが、王さんが歩かされた後の長嶋さんはとにかくよく打ちました。まさに“燃える男”の真骨頂でした。

来シーズンの巨人にも、以上のようなシーンがあるかもしれません。丸選手が歩かされた後の岡本選手のバッティングに注目です。ある意味それは、真の意味で「巨人の4番」になるための試練と言えるかもしれません。