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親を「サ高住」に入居させた子が「安心」してはいけない5つの理由

「リーズナブルな介護施設」という誤解
太田 差惠子 プロフィール

介護を受けるには「別途費用」が必要なケースが

案の定、タカシさんの母親が入居しているサ高住は「特定施設」ではなく、「住宅型」でした。

「住宅型」では、介護が必要な場合は、自宅にいるときと同じように、介護事業者と契約して別途費用を支払い、必要なサービスを受けることになります。

ことを複雑にしているのが、多くの「住宅型」サ高住には、関連の介護事業者が併設しており介護サービスを提供しているという点です。事情を知らずに見学すると、「介護施設」に見間違えますが、サービスを利用できるのは、新たに契約した時間帯だけです。

〔photo〕iStock

そもそも「サ高住」とは、身の回りのことはできる高齢者が1日数時間サービスを受け、自立した暮らしをしようという趣旨で設立されたものです。

もし、ピンピンコロリと逝けるなら、終の棲家となりえるのでしょう。しかし、通常、タカシさんの母親のように、時間と共に、自立の度合いは低下します。病気やケガで入院しても、長居はできず、あっと言う間に退院となる昨今。そのとき、そのサ高住に戻れるのか、ということも考えておく必要があるでしょう。退去勧告を受けるケースもあります。

 

「重度」の要介護者を集めるサ高住も

ただし、例外はあります。

もし、認知症などの症状が重くなり寝たきりになると「手がかからない」という理由から、受け入れに前向きになるサ高住は少なくないのです。介護度が重くなると、動きまわることがなくなり、事故のリスクも軽減します。

しかも、介護保険から支払われる介護報酬は、要介護度の高い人ほど増える仕組みになっています。併設の介護事業者は重度の入居者に対して介護保険のサービスをたくさん提供できるというわけです(介護保険のサービスだけではまわらず、オプションの自費サービスを入れることになるケースも)。

結果、重度者の比率の高いサ高住も見受けられます。とはいえ、医療依存度(点滴や胃ろうなど)が高くなると、医療対応が難しく退去勧告を受けることになるでしょう。看護師などの医療職が常勤していなければ看取りまで行うことは難しいと言えます。

また、本来は自立や介護の必要度合いが低い入居者を想定していたのに、中・重度者が増え、結果、入居者の転倒骨折などの事故が多発、といった側面も……。サ高住の大きな課題となっています。