# 年収 # 経営者

100億、1000億円の「年収」を得る人たち、その知られざる世界

問題なのはその高額報酬ではない
岡村 聡 プロフィール

ランキングには出てこない「1000億円プレイヤー」

投資ファンドについても、ランクインしているブラクストンやKKRを筆頭に、米国の投資ファンドの運用額は数十兆円にのぼり、大手でも数千億円の日本の投資ファンドと比較して2桁は大きい規模となっています。

ファンド業界は、管理報酬は運用額に、成功報酬も稼いだ金額に比例するので、上記2社のように運用額も大きく手数料を差し引いたネットリターンでも安定して年率10%以上を顧客に還元している巨大ファンドのトップマネジメントは、自ずと巨額の経営報酬を手に入れられます。

大手の事業者であっても上場していないために上記のようなランキングには登場しませんが、ヘッジファンド業界ではさらに巨額の年間1000億円以上の報酬(ファンドへの自己資金投資からのリターンを含める)を、大体どの年についても数名が獲得しています。

果断に大きなリスクをとったことで巨額のリターンを得たり、企業が急成長したりすれば、投資家も社員もその会社のステークホルダー全員が得をするので、成果さえ残していれば経営者への巨額の報酬についてはそれほど風当たりが強くないというのが米国の現状です。

 

上位100人のうち「女性は4人」という現状

日本企業でも、例えばソフトバンクの孫社長は自身の後継者には年間100億円くらいの報酬は払うと公言しており、実際に一時後継者候補と目されグーグル幹部を辞してソフトバンクに参画したニケシュ・アローラには、2014年度に約160億円の報酬が支払われました。

米国では報酬水準よりも、その性的・人種構成のいびつさが議論の対象となっています。上記のブルームバーグの報酬ランキングのトップ10は全員男性で、さらにアジア系である2位のジョセフ・ベイと5位のサンダー・ピチャイを除く8人は白人です。

このランキングを100位まで見ても、女性はわずか4人(女性の最上位は47位にランクインしているオラクルのサフラ・キャッツ)しかランクインしておらず、人種構成でもヒスパニックや黒人の数が人口構成比と比較して極端に少ないのは、昇進時や転職時に性別・人種バイアスがあるのではないかという議論が活発になっています。

在任中の株価や利益水準の動きなど、長期間をカバーした客観的な指標に基づいている成功報酬であれば巨額であってもそれほど問題視はされない一方、真の実力以外の性別や人種といった要因でトップマネジメントから排除されるケースをどのように減らすのかについて、米国では常に議論の対象となっています。

今回の日産のゴーン氏のケースも、単なるゴシップ的な観点ではなく、トップマネジメントのあるべき経営報酬の在り方についてより深く議論するきっかけとなればと願っています。

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