日本では日産のゴーン会長の逮捕が大きな話題となったばかりですが、海外と行き来していると報道のトーンが違うことが際立ちます。日本では、その巨額の報酬と豪奢な生活ぶりに焦点が当たっている一方、海外では空港での身柄拘束や家族との面会も許されない日本の検察の捜査手法の強権ぶりに焦点が当たっているのです。
ゴーン会長の逮捕を受けていろいろなメディアから海外の経営者の高額報酬についてコメントを求められましたので、今回は世界トップレベルの経営者たちの報酬水準と、高額報酬について米国を中心とした海外ではどのような声が中心であるかについて紹介します。
下記はブルームバーグがまとめた2017年の米国の経営者の報酬ランキングです。米国以外で年間100億円以上という巨額の報酬をもらっている経営者については聞いたことがないので、下記のランキングをそのまま世界の経営者のトップ10と読み替えてもよいでしょう。
これらの金額には現金報酬だけでなく、ストックオプションや譲渡制限付きの株式なども含まれています。
上記のリストはまず、企業の創業者とプロの経営者の2つのカテゴリに分類できます。
ランク1位、4位と6位~10位の7人が会社やファンドの創業者で上記の収入ではなく、資産の大半が創業した会社やファンドの保有株式で構成されています。
残りの3人が経営者としての現金報酬やストックオプションの取得が資産のメインである、いわゆるプロの経営者と呼ばれる人たちです。
また、業種もきれいにスナップチャット、テスラ、アルファベット、スウィッチというテック企業と、KKR/ブラクストンというファンド業界に2分されています。一体なぜ米国のテックや金融業界ではこのような巨額の報酬が発生するようになったのでしょうか。