安倍首相・衆参ダブル選の可能性と、気になる「橋下徹氏の動向」

なんだか騒がしくなってきた…
週刊現代 プロフィール

「どのみち勝てる」はずが…

「総理は悩んでいるだろうね。本当の賭けだから、衆議院でも大負けしてしまえば一気に引っ繰り返ってしまう。

麻生(太郎)さんは『野党分断のためにはダブル選』が持論だが、安倍総理からすれば、それは中選挙区時代のセオリーであって、今は事情が違う」(自民党幹部)

だが、どのみち安倍は勝てると踏んできた。世間の風を見ればわかる。いくら安倍に飽きた、駄目だ、といっても、自民党に代わる政党がないではないか―

枝野幸男率いる立憲民主党(支持率6.1%)、玉木雄一郎率いる国民民主党(支持率0.8%)に、政権交代を本気で託そうと思っている国民など、ほとんどいないのだ。

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一方で、自民党内ではどうか。総裁選で脚光を浴びた石破茂も、プリンスとして一挙手一投足が注目された小泉進次郎も、いまや見る影もない。石破は冷遇された。

小泉は、パフォーマンスの度がすぎると、他の議員から冷たくあしらわれるようになっている。

つまり、安倍はレイムダックの状況にいるものの、向かうところに敵はおらず、事実上「不戦勝」の形で、独り相撲を続ける位置にいる。いざとなれば、ダブル選で圧勝し、基盤を盤石にすればいい―はずだった。

事態を変えたのは、橋下徹の突然の浮上である。

政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は、「今回の本を読んで、橋下さんがいずれ政界復帰すると確信しました」と言う。

「政治家が著書を出すのは、目的があるからです。総裁選は、安倍総理にとっては『おわりのはじまり』でした。しかし橋下さんにとっては、これがスタートになる。

橋下さんは、総裁選直後に小泉進次郎さんを批判しましたが、自民党の看板である小泉さんをライバル視しているのだと感じました。いずれ、自民党と対抗していくという意識の表れでしょう」(田﨑氏)

橋下は、書籍刊行と同時に、多数のメディア出演を行い始めた。テレビ番組だけでなく、珍しく複数の雑誌のインタビューまで受けているのだ。

いずれも内容は一貫している。野党再編論だ。候補者調整さえうまくいけば、一気にまとまらなくても、やがて各野党が一つにまとまり、政権奪取につながる―

かつて創設した日本維新の会を「失敗だった」と断じ、民主党政権崩壊の過程も丹念に分析している。

この本に激しく揺さぶられたのが、冒頭で記した国民民主党だった。

いまや、国民民主は崩壊寸前だ。立憲との差異化を打ち出すこともできないどころか、参院選での選挙協力も進まない。

「立憲の枝野氏は、野合するつもりはまったくない。参院選では、1人区では野党共闘を進めるが、2人区では国民民主の現職がいる3選挙区にも候補を立てる姿勢で、まったく折り合いがつかない」(国民民主幹部)

支持率が限りなくゼロに近い国民民主は泥船だ。参院選では比例でゼロの観測すらでてきた。やがては政党解散への道だ。

もはや、立憲を外した野党総結集しかない。その決起集会が、11月22日に開かれるという噂も飛び交った。その裏で蠢くのが、かつての「壊し屋」小沢一郎だ。国民民主と自由党との統一会派案が、第1段階としてあった。