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大塚英樹がスターフライヤー社長に迫る!「感動をビジネスにする」

松石禎己スターフライヤー社長の哲学
大塚英樹

「好きなようにやりなさい」と社員の背中を押す 

もう1つ、松石が言行を一致させているのは「安全は何よりも優先すべき絶対的なもの」。

松石は、コスト削減の中でも、安全に関するものは削らない

整備部門は、もしマニュアルに掲載されていない問題点が見つかった場合には、自分の経験や勘で判断せずに、必ず航空機メーカーに問い合わせするように徹底している。

「OK」の返答がない限り、航空機を運航しない。つまり、欠航させるのだ。

さらに、「強みの再生産」も、言行一致を実行している。

スターフライヤーは創業当時、個性がはっきりしていた。

世界初の黒塗りの機体。革張りのシート。

ゆったりした座席間隔。あらゆるものを黒と白とシルバーで統一し、スタイリッシュで豪華な雰囲気を醸し出す。

運賃はLCC(格安航空会社)よりも高いが、大手よりは安いという立ち位置……。しかし、そうした強みは拡大路線の中で失われていった。  

 

そこで松石は「スターフライヤー〝らしさ〟の追求」を訴え、その追求を従業員1人ひとりの自主性に任せるやり方を採る。

その結果、無償「初日の出フライト」、抹茶を無料提供する「スターフライヤー茶屋」など、各部門で〝らしさ〟を追求している。  

松石は、社員との対話の最後には必ず、「好きなようにやりなさい」と社員の背中を押す。  

そんな社員の心を動かす松石経営がどこまで同社を成長させるか、目が離せない。

松石禎己社長 提供=スターフライヤー
松石禎己(まついし・さだみ)
1953年、長崎県平戸市生まれ。九州大学工学部卒業後、1975年に全日本空輸株式会社に入社。整備本部、運航本部を経てスカイネットアジア航空(現ソラシド航空)に出向。その後OMC(オペレーション マネジメント センター)にてOD(オペレーション ディレクター)を経験。2014年3月株式会社スターフライヤーに入社、同年6月から代表取締役社長執行役員に就任。