photo by Getty Images
# マネジメント

まだ、リーダーシップを「引っ張ること」だと勘違いしていませんか?

バーのママの即席リーダー塾(1)

上司の最大の悩みは部下、部下の最大の悩みは上司

リーダー職に悩んでいる人はとても多い。また、私なんてリーダーには向いていない、あるいは、リーダーにはなりたくないという人も多い。実際、管理職に昇進したくないと考える一般社員は6割いるそうだ(2018年版『労働経済の分析』(厚生労働省))。

実際、上司の最大の悩みは部下。どうして部下が動いてくれないのか。どうやったら部下を巻き込むことができるのか。中には、そんな部下マネジメントが面倒となり、上司としての仕事は形ばかりで、もっぱら自分の業務だけにいそしむ人もでてくる。一方、部下の最大の悩みは上司。上司が誰かによって仕事の楽しさや職場の雰囲気、そして自分のやりがいや成長実感は大きく変わってしまう。

 

そうした悩みを物語を通して解決する注目書『本物のリーダーは引っ張らない』からそのエッセンスを何回かに分けてお届けする。

登場人物は4人。
佐藤浩二:昔ながらの体育会系リーダーシップを実践するも、最近なかなか部下とうまくいかないことに悩んでいるアラフィフ。
高野賢介:優秀な若手として、期待されて管理職を任されたものの、なかなかうまくいかなくて悩んでいる。
牧村美香:賢介の学生時代からの友人で、最近上司からリーダーにならないかと打診されて、「私なんて向いていない」と悩んでいる。
ママ:リーダーシップで悩める3人が出会ったワインバーの経営者。彼女はじつは7軒の店を経営・成功させている凄腕。即席リーダー塾の講師役。

リーダーは先頭に立って引っ張る役割ではない?

ママ:最初に伺うけど、皆さんはリーダーシップっていうと、どんな心構えや姿勢で臨むことが大切だと考えます?
 
バーのカウンターで突如始まったリーダーシップの勉強会は、ママのこんな質問から始まった。
 
佐藤:いろいろあるだろけれど、やっぱり『引っ張る』ってことかな。俺の上司たちも、そういう感じの人たちが多かったからなあ。

高野:僕もそうですね。管理職になって最初に思ったことは、僕がこのチームを引っ張って、必ず業績をあげて見せるぞ、ということでしたから。

牧村:うーん、私はまだ実際にはやっていないからよくわからないのですが、この前会社で受けた事前研修でも、会社の人からは『皆さんがこれからは引っ張っていってください』と言われました。
 
ママ:私ね、そもそもそれが違っていると思うの。