3.  あなたは職場のゲイと既に出会っている

日本労働組合総連合会が行ったこの調査では、“何人に一人が同性愛者か”というデータも明らかになりました。

『自分はレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルのいずれかである』という質問に「はい」と答えた人は、3.1%。つまり、100人の会社に3人は同性愛者がいてもおかしくないことになります。

それなのに、81%の人が、「誰からも(LGBTだと)カミングアウトされておらず、周囲にカミングアウトしたという人も聞かない」と回答している。

「うちの会社には同性愛者はいない」と思っているかもしれませんが、このデータからわかる通り、むしろほとんどの会社に同性愛者が1人はいてもおかしくありません
みんな、自分に嫌悪感を向けられまいと、必死に隠しているんです。

同性愛者は、決して自分の知らないところで生活している人たちなのではありません。
今、隣の席や、向かいの席に座っている人だって、同性愛者かもしれない。
みなさんは、職場の同性愛者たちと、既に出会っているかもしれないんです。

「わからないから嫌」から一歩出ませんか

同性愛者とは関わったことがないから、どんな人たちなのかわからないから、同じ職場にいたら「嫌だ」と感じてしまう。

けれど、みなさんの目標とする上司、優秀な部下、信頼できる同期、憧れの社長、「周りの尊敬できる人たちが同性愛者かもしれない」と考えてみてはどうでしょうか。
そう考えたら、単純に一人の人間としてリスペクトできませんか?
社内で活躍している同性愛者と、みなさんは既に関わっているかもしれないんです。

今や、楽天、資生堂、ソニー、マクドナルドなどの大手企業が、同性愛者の権利の尊重や差別の禁止などを基本方針として固めています。
この社会で、同性愛者が異性愛者と同等に扱われるべきだという認識は、もはや当たり前のことなんです。

とはいえ、対象がどんなものであれ、嫌悪感は、意志に反して自然と湧き上がってくるもの。嫌悪感を抱くこと自体が悪なのではありません。

どんな嫌悪感にだって、理由はあるはず。それは例えば、「恋愛は男女間だけのもの」といった先入観から生まれているかもしれません。

もしも「同性愛者は、異性愛者と同じように身近に暮らしていること」「同性間にも、男女間と同じように恋愛感情が生まれること」を、まず知って、それからゆっくりと自分の身の回りを見渡してみれば、職場に同性愛者がいたら「嫌だ」と思う人たちの気持ちに、必ずや変化が起こるはずなんです。

まずは、みなさん一人ひとりが社内の同性愛者を受け入れられるようになって、それがやがて社会全体の常識として広まることを、僕は願っています。

「いつゲイだって自覚したの?」「どうしてカミングアウトしたの?」「ゲイってどうやって出会うの?」「ゲイの友情と恋愛の境目はどこ?」「ノンケを襲いたくなる?」等々の素朴な質問に真正面から答えるエッセイに加え、48の短歌が胸を締め付ける、笑いと理解と切なさ満開の一冊。